社会【公民】
現代の社会
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財政政策と金融政策の違いは何ですか?
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財政政策とは「政府」が財政の活動を通じて景気を調整し、経済の安定をはかる政策のことです。税制などによって歳入を調整し、社会保障や公共投資によって歳出を調整します。好景気の時には増税や公共投資の抑制を行い、反対に不景気の時には減税や公共投資の拡大などを行うことによって経済を安定させるようにします。
一方、金融政策は「中央銀行(日本では日本銀行)」が市場に出回る通貨量の調整を行うことによって景気を調整し、経済の安定をはかる政策のことです。好景気の時には、手持ちの国債の売却などによって通貨量を減らし、景気の過熱をおさえます。また、不景気の時には民間からの国債の買い入れによって通貨量を増やして、経済活動を活発にするようにします。
どちらも経済政策ではありますが、財政政策は政府が行い、金融政策は中央銀行が行うというところが一番の違いです。ここを押さえておきましょう。
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「多文化社会」と「多文化共生社会」の違いは何ですか?
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多文化社会とは、さまざまな国の人々がそれぞれの文化を持ちながら、一つの社会に暮らしていることをいいます。こちらは地理分野、特に移民が多く居住するアメリカ合衆国やカナダ、オーストラリアの単元で学習します。
多文化社会に「共生」という意味が加わった言葉が多文化共生社会です。共生とは、性別、国籍、年齢、障害の有無など、さまざまな違いがある人それぞれが自立し、互いに支え合い、主体的に暮らすことができるという意味です。したがって、多文化共生社会とは、さまざまな国や民族の文化を尊重し、言葉などの違いを認め合い、支え合いながら共に暮らすことができる社会のことをいいます。
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情報リテラシーとメディアリテラシーの違いは何ですか?
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情報リテラシーとは、「情報」と「リテラシー(literacy):識字」を合わせた言葉です。識字とは、もともと文字を読み書きし理解できる能力のことですが、リテラシーという場合は、文字に限らず、さまざまな情報の読み書きや理解能力を表します。
よって情報リテラシーとは、情報をうのみにせず、取捨選択して正しく活用する能力を表し、「情報活用力」、「情報を使いこなす力」とも表現されます。
情報リテラシーの中で、特にメディア(媒体)からの情報をうのみにせず、主体的に読み取り、活用できる能力のことをメディアリテラシーといいます。メディアには、新聞・ラジオ・テレビなどのマス・メディアのほか、映画・音楽・雑誌などの出版物、インターネット、広告などがあります。
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メディアとマスメディアの違いは何ですか?
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「メディア(media)」とは、もともと「媒体」「手段」などを意味します。そこから、「情報を伝達する媒体・手段」という意味でも使われるようになりました。
またマスメディアの「マス(mass)」は「大量」「大衆」「群衆」といった意味をもちます。このため日本語では「大衆媒体」などともいわれ、一度に多くの人々に情報を伝達する手段のことをいいます。
メディアには、それほど多くの人に情報を伝達するわけではないポスターやチラシ、また電話や手紙などのことも含まれますが、マスメディアは新聞や雑誌、テレビやラジオのように、非常に大勢の人に情報を伝達する媒体のことをいいます。
メディアをマスメディアと同じ意味で使うこともありますが、社会の学習では区別して覚えておきましょう。
政治
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衆議院は参議院に比べて任期が短く解散もあるのに、なぜ国民の意思を反映しやすいのですか。
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日本の国会が衆議院・参議院の二院制がとられている理由は、国民のさまざまな意見をより広く政治に反映させ、より慎重な審議を行うためです。
衆議院と参議院が同じであれば、二院制にする意味がありませんから、衆議院と参議院にはいろいろな違いがあります。定数は衆議院465人、参議院248人。被選挙権(選挙に立候補できる資格)は衆議院25歳、参議院30歳。任期は衆議院4年、参議院6年。衆議院には解散がありますが、参議院には解散はありません。 解散とは、衆議院議員が国会議員の資格を失うことで、衆議院が解散すると、新たに衆議院議員を選ぶための選挙が行われます。この選挙こそが国民が政治に参加できる重要な機会になります。国民は自分の支持する候補者や政党に投票することで、自分の意見を政治に反映することができるのです。
参議院の任期は6年で解散がないことから、参議院議員はほぼ6年間変わりませんが、衆議院の任期は参議院より2年短い4年であり、4年経たないうちに解散する可能性もあります。解散があることで、衆議院はそのたびに選挙が行われ、参議院より選挙の回数も多く、その時点での国民の意思(意見)を知ることができることから、衆議院は国民の意思を反映しやすい、ということになるのです。
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請求権と請願権の違いは何ですか?
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請願権は、日本国憲法第16条で保障されている、国会・地方議会などに対し、法律・条例の制定・廃止・変更、公務員の罷免などについて、要望をあらわす権利のことです。基本的人権のうち、「人権を守るための権利」のなかの「参政権」に含まれる権利です。
請求権は「人権を守るための権利」に含まれる権利で、裁判を受ける権利(第32条)・国家賠償請求権(第17条)・刑事補償請求権(第40条)の3つの権利の総称として使われることが多く、国民が基本的人権を侵されたり、不利益を被ったりした時に、国や地方公共団体などに対してその救済を要求する権利です。
どちらも人権を守るための権利に含まれるため、混同しやすいですが、請願権は要望をあらわす権利、請求権は救済を求める権利、と覚えておきましょう。
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なぜ小選挙区制では二党制、比例代表制では多党制になりやすいのですか?
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まず、小選挙区制が二党制になりやすい理由について説明します。
小選挙区制は1つの選挙区から1人の代表者を選ぶ選挙制度です。1人しか選ばれないため、その分、投票結果は僅差(きんさ)となり、当選に反映されない票(死票)が多く、少数意見が反映されにくいという短所があります。このため、支持者の数が少ない政党には不利となり、支持者の数が多い大政党にとって有利となるのです。
ただし一つの大政党に集中するというよりは、その大政党に批判的な意見を持っている有権者は、異なる大政党に投票するので、二(大政)党制となりやすいのです。次に、比例代表制で多党制になりやすい理由について説明します。
比例代表制は政党に投票し、政党の得票数に応じて議席を配分する選挙制度です。日本では、この比例代表制による選挙の議席配分は「ドント方式」を用いて行っています。
各政党の得票数を1、2、3…の整数で割り、商の値の大きい順に定数までが当選となるので、当選に反映されない票(死票)が少なくなり、少数意見も含めたさまざまな意見を反映することができます。このため、大政党に比べると獲得議席数はわずかですが、支持者の少ない政党でも議席を獲得することができるチャンスがあります。こうして、比例代表制では大政党から小政党までの多党制になりやすいのです。
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「一票の格差」について詳しく教えてください。
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「一票の格差」とは、各選挙区における議員定数と有権者数との比率に大きな差があることにより、国民が投票した一票の重みに格差が生じていることをいいます。つまり、同じ一票であっても、選挙区によって一票の持つ価値が違ってしまうということになります。
たとえば、候補者の中から一人を選出する小選挙区制の選挙で、Aの選挙区には2万人、Bの選挙区には10万人の有権者がいるとすると、Bの選挙区の1票はAの選挙区の1票よりも価値が低くなってしまいます。理論的には、Aの選挙区では1万1票獲得すると当選しますが、Bの選挙区では1万1票獲得しても当選するとは限らないですよね。つまり、同じ票の数が投じられているのに、Aの選挙区では当選させることができ、Bの選挙区では必ずしも当選させることができないのです。これがすなわち、一票の格差です。これでは、全ての有権者が等しい価値の一票を認められているとはいえないわけです。
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ドント方式について教えてください。
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ドント方式は、各政党の得票に応じて議席を配分する方法の一つで、比例代表選挙で採用されています。
その方法は、各政党の総得票数をそれぞれ1、2、3、4…と整数で割っていき、得られた商(得票数)の大きい順に議席を配分します。どこまで割ればいいのかというと、定数を満たす議席が決定するまで割ることになります。
議席が7なら、獲得票数を整数で割った商の大きい順から7人が決定したところで終わりです。
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社会権と生存権の違いは何ですか?
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社会権は、資本主義経済の発展で生じた貧富の差の解消のために認められた権利で、国家に対して、人間らしい生活を求める権利のことをいいます。生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、労働三権の総称です。
このように生存権は社会権の一つで、日本国憲法第25条において「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定されている権利のことで、生存権に基づいて生活保護や年金保険、医療保険、介護保険などの社会保障制度が整えられています。
1919年にドイツで作られたワイマール憲法で初めて明記されたのが、生存権を含めた社会権です。したがって、日本国憲法の条文である「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」のように、明らかに生存について問われているとわかるものは、「生存権」と答えます。
経済
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需要と供給の仕組みがよくわかりません。
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需要・供給曲線のグラフから出題されることが多いため、グラフの読み取りをマスターすることが大切です。グラフを見ながらしっかり理解していきましょう。

まず需要と供給の意味をしっかりおさえましょう。需要とは買い手が購入を希望すること、供給とは売り手が販売を希望することです。もっと簡単に言うと「需要は買いたいと思うこと」「供給は売りたいと思うこと」です。次に、需要・供給曲線のグラフの縦軸と横軸が何を表しているのかおさえましょう。縦軸は価格、横軸は数量です。「価格は上に行くほど高く、数量は右に行くほど多く」なります。
需要曲線は上図で、右下がりの曲線、グラフの青色の曲線です。価格が高くなるほど、買い手は購入を希望しないので購入量(数量)は0に近づき、逆に価格が低くなるほど、買い手は購入を希望するので、購入量は多くなっていきます。
供給曲線は同様に右上がりの曲線、グラフのオレンジ色の曲線です。価格が低くなるほど、売り手は販売を希望しないので販売量(数量)は0に近づき、逆に価格が高くなるほど、売り手は販売を希望するので、販売量は多くなっていきます。需要・供給曲線のグラフから読み取れるのは、商品が自由に売買される市場経済では、市場での価格(市場価格)は、需要量と供給量の変化によって変動しながら、均衡価格に落ち着いていくことです。
均衡価格とは、需要量と供給量がつり合ったときの価格です。需要曲線と供給曲線の交点になります。
均衡価格より上の価格が高い部分では、供給量が需要量を上回り、つまり売れ残りが出るため、価格が下がっていきます。逆に、均衡価格より下の価格が低い部分では、需要量が供給量を上回り、つまり商品が足りなくなり、高くても買おうとする現象が起こり、価格が上がっていきます。結果的には、価格は需要量と供給量が一致した均衡価格に落ち着いていきます。
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円高と円安の仕組みがよく分からないので教えてください。
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円高とは、他国の通貨に対して円の価値が高くなることです。たとえば1ドル=200円であった為替相場が、1ドル=100円になることです。つまり、1ドルのものを買うのに、200円払っていたところが100円ですむようになることで、円の価値は高くなります。
一方、円安とは他国の通貨に対して円の価値が低くなることです。円安は円高の逆の現象です。たとえば、日本が120万円の自動車を海外に輸出するとき、1ドル=100円であれば、販売価格は1万2千ドル(120万÷100)、1ドル=80円の円高になれば、販売価格は1万5千ドル(120万÷80)、1ドル=120円の円安になれば、販売価格は1万ドル(120万÷120)です。
このように輸出については、円高になれば販売価格は高くなって不利になり、円安になれば販売価格は安くなって有利になります。また日本が1000ドルのPCを海外から輸入するとき、1ドル=100円であれば、販売価格は10万円(1000×100)、1ドル=80円の円高になれば、販売価格は8万円(1000×80)、1ドル=120円の円安になれば、販売価格は12万円(1000×120)です。
このように輸入については、円高になれば販売価格は安くなって有利になり、円安になれば販売価格は高くなって不利になります。円高は、海外からすると「日本の商品が値上がりする」ということを意味しますので、日本の製品が売れにくくなり、輸出産業は減収となります。しかし輸入については、石油や鉄鉱石などの輸入原材料や輸入製品が安くなり、国内物価も下がります。
円安は、海外からすると「日本の商品が値下がりする」ということを意味しますので、日本の製品が売れやすくなり、輸出産業は増収となります。しかし輸入については、輸入原材料や輸入製品が高くなり、国内物価も上がります。円高になると、輸出には不利、輸入には有利、逆に円安になると、輸出には有利、輸入には不利になることをしっかりおさえておきましょう。
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国債・公債・公債金・国債費の違いについて教えてください。
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国債は、税収の不足を補うために国が発行する債券、公債は、この国債と地方債(地方公共団体が発行する債券)の総称です。
公債金は国債を発行して得られたお金で、利子を含まない元本の額を表します。国の一般会計の歳入の項目の一つです。
国債費は国債の返済や利子の支払いにかかる費用で、元本と利子を合わせた額を表します。国の一般会計の歳出の項目の一つです。公債金と公債は、名前は似ていますが同じものではありません。
公債は国債と地方債の総称ですが、公債金は国債の発行によって得られたお金で、地方債は関係ありません。
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税金の分類について教えてください。
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税金は、税金を納めるところと実際に税金を払う人が誰であるか、で分類されます。
まず国に納める税金のことを「国税」と言い、主に所得税・法人税・相続税・贈与税の4つがあります。これらはしっかり覚えましょう。
所得税は、個人の1年間の所得に対してかかる税です。法人税は、株式会社などの法人の所得に対してかかる税です。相続税は、死亡した人から相続した財産に対してかかる税です。贈与税は、生存する個人から贈与された財産に対してかかる税です。また地方公共団体に納めるのが「地方税」です。地方税については事業税・固定資産税を覚えましょう。事業税は税金を払う人が住む都道府県に納めます(都道府県税)。個人または法人の事業に対し、その所得または収入に対してかかる税です。
一方、固定資産税は市(区)町村税で、税金を払う人が住む市や区、町、村に納めます。土地や建物の所有者に対してかかる税です。以上の税金は「直接税」で、納税者(税金を納める人)と担税者(税金を負担する人)が同じになります。
これに対して間接税は、納税者(税金を納める人)と担税者(税金を負担する人)が異なります。
例えば消費税は商品やサービスを購入・消費したときにかかる税ですが、国や地方に税金を納めるのは商品やサービスを売ったお店などの側で、実際に税金を負担するのは商品やサービスを消費・購入した消費者になります。
スーパーなどで商品の前には消費税について税別と税込みの値段が貼られていますね。スーパーなどのお店側は、税金の値段をお客様から受け取って、税別の商品価格を除いた消費税分を国や地方公共団体に納めているというわけです。
なお消費税は現在、各商品の価格の10%の税率※ですが、うち7.8%は国に、2.2%は地方公共団体に納められますので、国税でもあり地方税でもあります。
※酒類・外食を除く飲食料品は8%(国に6.24%、地方公共団体に1.76%)
間接税には消費税の他、酒税と関税を覚えておきましょう。酒税はビール・ウイスキー・清酒などの酒類に対してかかる税、関税は輸入品に対してかかる税で、どちらも国税です。
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物価が上がると貨幣価値が下落するのはなぜですか?
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経済に関する事項は身近で具体的な例で考えると、理解が進みます。
物価が上がる状態(=インフレーション、インフレ)については、500㎖のペットボトル飲料を例にとって考えてみましょう。
先週まで1本150円だったとします。ところがインフレのため、今週は1本200円に値上がりしました。
さらに来週には1本250円、そして3ヶ月後には1本1000円になると予想します。
消費者視点からすると、同じ商品について、先週は150円で買えていたのに、3ヶ月後には1000円ないと買えなくなるということです。つまり商品の物価が上昇すると、その分のお金が必要になります。逆に言うと、お金(貨幣)の価値が下がった(以前と同じ価格ではなくなった)、ということになります。
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国債を売買することによって、なぜ市場に流通する通貨量を調節できるのですか?
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日本銀行は市中にある一般の銀行を相手に、好景気と不景気に分けて、国債を売買することによって市場に流通する通貨量を調整しています。
具体的には、好景気のときには、景気や物価が上がりすぎないように、日本銀行は市中にある一般の銀行に対して国債などを売り、市場に流通する通貨量を減らします。反対に、不景気のときは、景気や物価が下がりすぎないように、日本銀行は市中にある一般の銀行に対して国債などを買い、市場に流通する通貨量を増やします。国債をお店で売っている商品だと考えるとわかりやすいです。
好景気には、日本銀行は、日本銀行が持っている「国債」(商品)を、お客である市中にある一般の銀行に売ります。市中にある一般の銀行は、「国債」(商品)を買ったわけですから、「国債」(商品)の代金を、日本銀行に支払います。このように、日本銀行は、どんどん「国債」(商品)を売ることで、現金(市場に出回る通貨)を集めていき、その結果市場に出回る通貨量が減るというわけです。通貨量が減ると、経済活動が活発に行えなくなり、景気や物価が上がりすぎるのを防ぎます。
反対に、不景気には、日本銀行は市中に出回っている「国債」(商品)を、お客である市中にある一般の銀行から買います。市中にある一般の銀行は、「国債」(商品)を売ったわけですから、「国債」(商品)の代金を、日本銀行から受け取ります。このように、日本銀行は、どんどん「国債」(商品)を買うことで、現金(市場に出回る通貨)を市中の一般の銀行に支払い、その結果市場に出回る通貨量が増えるというわけです。通貨量が増えると、経済活動が活発になり、景気や物価が上がるようにはたらきかけます。
国際社会
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NGOとNPOの違いは何ですか?
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NGOとは、Non-Governmental Organization の略で、日本語では「非政府組織」と呼ばれています。
NPOは、Non-Profit Organization の略で、日本語では「非営利団体」と呼ばれています。NGOとNPOはどちらも政府・企業から独立した存在という意味では同じですが、企業などの営利団体と違って営利を追求しないことを強調する時はNPOを、政府からの独立を強調する時にはNGOという言葉を使う傾向があります。
NGOは国連用語から出てきているため、海外協力や国際交流に関する団体などの、国境を越えて活動する団体を指すことが多く、人権問題や環境問題を解決する目的の団体などがあります。
また、日本においては、NPOはNPO法に基づき「特定非営利活動法人格」を取得した団体を指し、福祉や環境保護、芸術活動支援などを目的とする団体などがあります。
まとめると、日本では
NGOは「政府によってではなく、民間の人々によって設立・運営される、開発協力などの国際的な活動を行う団体」
NPOは「地域社会で福祉活動などを行い、営利を目的としない団体」
という意味で使われると考えておけばよいでしょう。