約一年半に渡って「どうしたら勉強ができるようになるか」という連載を続けてきました。以前も書きましたが、繰り返しが出てきています。その繰り返しのところはよほど大切なのだとご理解ください。
いままで記事をお読みくださった方は本来うんと成績が上がっていなければおかしい。上がっていないとしたら勉強方法を頭の中だけで理解して、実践されていない可能性があります。サッカー上達法という本を読んだだけで、実際にはボールを蹴っていないというのと同じです。


ちょっとだけテストしてみましょうか。昨日一日のことだけを答えてください。できるだけ正直に答えましょう。
1、    英文を繰り返し音読しましたか。(はい  いいえ)
2、    ノートの文字は丁寧に書けていますか。(はい  いいえ)
3、    15分以上活字を読みましたか。(はい  いいえ)
4、    勉強の中に復習(解き直し)は含まれていますか。(はい  いいえ)
5、    スマホやゲーム機などの利用ルールは厳格に決まっていますか。(はい  いいえ)

五つとも「はい」であってほしいものばかりです。この五つはどれが欠けてもいけない。一つでも欠けていたら「思ったほど」できるようにはならないでしょう。
勉強ができたらいいと夢想するのと勉強ができるようになるために実際行動するのとでは違うのだということは徹底的に意識しないといけません。いま実際に何をしているかということだけがすべてなのです。

志望校に合格できたらいいというのはもちろんですが、目標が高ければ高いほど志望校の先生方は入学後のあなたに勉強してもらおうと張り切っているはずです。何となく遊びに来てほしいとは絶対に考えていない。高い志望校を持つというのは、つねに「これからはもっと勉強するぞ!」と宣言しているのと同じです。中心に来るのはまず勉強です。ふさわしい人間かどうか、いつも考えるようにしてください。
あなたの勉強生活がうまくいくことをお祈りしてこの連載を終わることにします。長いあいだありがとうございました。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。