勉強ができる人は例外なく処理能力が高いものです。てきぱき物事を進めていくことができる。低学年でときどき見かけるのですが、書くのがとても遅い人がいます。丁寧なのですよ。それはいいことだとしても、あまりにも遅い。
状況を考えないといけないですね。丁寧に書くことだけが目的になっていないかどうか。授業のときは若干雑に書いておいて、あとで丁寧にまとめるという人もいます。そういうことであれば復習にもなるし大変いいですね。要はそうした工夫ができるかどうか。

ぐずぐずしていると何をやってもなかなかうまくいきません。そしてこの「ぐずぐず」は生活ぜんぶがそうなっている可能性があるので気をつけてください。
朝いつまでもぐずぐずと蒲団から出てこない。食事もテレビを見たりして気を散らしながら延々と食べている。着替えや片づけもだらだらといつまでも終わらない。お風呂やトイレも異様に長い。すべてがそんな具合で進行していくケースもあります。
生活リズムがいつのまにかそういう形になってしまっているわけです。

私はそういう生き方を否定するものではありません。のんびり過ごすことは罪ではない。ただすごく成績を上げたいというのであれば、これではうまくいかないということです。勉強だけてきぱきしなさいなどと言っても生活リズムがのろのろしているわけですから、うまくいきっこない。
1日が24時間と限られている以上、処理能力の高い人のほうが物事は圧倒的にうまくいきます。問題文なんかすごく長いわけですよ。さーっと読む。大切なところを的確に見つけて繰り返し読む。ぐずぐずしていてはとてもできません。すばやく読む訓練も必要ですし、自分なりの読み方の工夫も必要です。

やはりある程度はてきぱき生活するクセをつけてほしいと思います。てきぱきというのは集中して取り組むということです。集中しなければ時間を早めることは難しい。何をやるにしても「ながら」ではなく、その作業に全力で取り組む姿勢を大切にしてください。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。