復習のやり方について書いておきます。見直しておきなさいという表現がありますね。これは完全に自分のものにしておくようにという意味です。完全にです。
春期講習のあとで確認テストというのがありました。そもそもよくできるある生徒が午前中に英数国の試験を受けました。午後は理社ですね。その後もずっと自習していました。そして夕方、英数国の解答用紙をもう1組もらえませんかと受付まで来た。

何をするつもりなのかはわかっていたので渡しました。意欲のある生徒には当然それぐらいのサービスはしています。はたしてもう一度午前中に解いたテストを解きなおして自己採点して持って来ました。記述のところができているかどうか確認してほしいという。
点数を見るとほぼ90点とれている。2回目で90点です。あとはさらにミスした10点分を見ておくといいでしょう。

文法は今度はぜんぶできていましたとうれしそうでした。知識項目ですからね。きっちり復習すれば絶対にミスがなくなるはずなのです。それを何となくわかったぐらいで放置しておくからいつまでたっても同じようなミスをする。
で、同じ中学生の皆さん(小学生でも高校生でもじつは同じことなのですが)はここまでやっていますかというお話です。その日のうちに間違えた問題は解説を読んで理解する。そしてもう一度解き直す。この一連の作業でいちばん大切なのは「もう一度解き直す」というところです。

時間がなければ間違えた問題だけ印をつけておいてそこだけやり直してもいいでしょう。ミスがあった部分だけをもう一度ゼロから解き直す。そしてミスしたところは覚え直す。
復習というものを「ただぼんやりノートを見返すこと」ぐらいに判断している方がいますが、それは自動車の運転を絵で覚えようというのと同じぐらい無謀なことです。自分ができるようになっているところを実際に確認してください。自信もそうやってつけていくのです。

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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。