今日書くことはとても重要なことです。ときどき本末転倒の人がいます。本末転倒の意味はわかりますか? わからなかったらすぐに調べてみてください。
難解な問題集をやっている。添削も利用している。塾にも通っている。ときには複数の塾に通っている。それなのに成績がはかばかしくない。聞いてみると学校の授業をいい加減に受けているのです。教科書をきちんと読んでいない。これは明らかにまずい。できるようになりません。

まず学校の授業です。そして教科書は端から端まできちんと読んで理解する。それが基本中の基本であり、塾に通って難しいことを習っているから学校の授業なんかどうでもいいという気持ちでは成績向上は難しいでしょう。
学校ではどの授業も例外なく全力で受けるようにしてください。全力で受けるために当然明日の授業は何をやるのか下調べする必要があります(つまり予習です)。さらに授業内容を定着させるために、やってきたことを覚え直す必要もあります(つまり復習です)。

予習と復習は学校の授業を100%活かすために必然的にやることであり、やってもやらなくてもいいというものではありません。
そうしたことを手抜きして塾に行けば何とかしてくれる・・・ではいつまでたっても健全な形にならないのがわかりますか。確かに私たちには生徒がどこでつまずいているのかわかることはわかります。そしてそこを補強する。

ただなぜその分野で大きくつまずいていたのかというところまでは十分見えていません。授業を真剣に受けていないのか、覚え直す(復習)ことをまったくしなかったのか。いずれにせよ、そうしたことが改善されない限りいくら補強しても次から次へと弱点が出てきて追いつかない。
教科書より添削や塾の教材のほうが詳しいからという人もいますが、そうしたことは教科書に出てくるような基本事項を100%理解してからです。何といってもまずは学校の授業、そして教科書です。

連載バックナンバー

著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。