いわゆる過去問をそろそろはじめようかという方がいらっしゃるでしょう。高校受験生の場合、まだちょっと早い感じですかね。11月の終わりごろからスタートする方が多いと思います。単元学習がまだ終わっていない科目も多いでしょう。
もっとも国語はやろうと思えばすぐにでもスタートできます。余力のある受験生はチャレンジしてみてもいいと思いますよ。あたりまえですが、やさしいものからはじめてください。

現在、この記事は特定の地域ではなく全国の方に向かって書いています。具体的な名称をあげるのは難しいのですが、要するに公立高校の入試問題(共通問題)からはじめてください。難関と称せられる国立大学の附属高校や私立高校のものからはじめると難しすぎて、ちょっとめげてしまう可能性があります。
まず共通問題で何点ぐらいとれるか見てください。できれば新しいものからやったほうがいいですね。いちばん新しいものは最後にまわして、1年前のものからやるという受験生もいます。

最新の問題は総仕上げ用に残しておきたいというのです。だからといって大昔のものからだんだん今年に近づいていく感じにはしないほうがよいでしょう。入試問題には流行りすたりがあり、傾向がかなり変わるのです。
解答用紙がある場合、コピーして使うと便利です。過去問は繰り返しやる必要があります。コピーを用いると気持ちよく解答することが可能です。

何となく答を覚えているから一度しかやらないという人がいますね。では二回目は満点がとれるのかというと、案外ミスをしている。答を覚えていると言いながらミスをしているのですから、本当はわかっていない。そこを徹底的に復習する。いつも書く通り「自分のできないところをできるようにする」ことこそが真の勉強です。
作文や証明はできれば指導者に見ていただく必要があります。書けたと思っても案外評価が低かったり、逆にだめだと絶望していたのにけっこう途中点がとれていたりもしますから、指導者の目がほしいですね。


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著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。