内申がなかなか上がらないと悩んでいる人がいます。確かにこれまでとまったく同じでは上がらないでしょう。いままでと違う自分をアピールするからこそ評価が変わってくるのです。
上げたいのであれば一人で悶々と考えるだけでなく、違いを外に表明していくことが大切です。テスト類の点数上昇はもちろんでしょうが、テストだけではない要素もあります。そのあたりはどうですか。

たとえば提出物。出さない人はいないと思いますが(出したり出さなかったりでは絶対に上がりません)、雑にやっているとか提出物にシミがついているとか紙がくしゃくしゃになっていたとかということはありませんか。大切なものなのですから精一杯きれいに扱い、可能な限り努力して埋めるべきです。自由研究みたいなものもそうです。「自由」だからこそ全力を尽くす。しっかりした生徒だなという印象を与えることができるはずです。

手を挙げないから5をつけないとおっしゃった先生もいらっしゃいました。はっきりおうちの方にそうおっしゃった。一回も手を挙げない。テストの点数がいいのにかたくなに手を挙げない。
どの先生も円滑に授業が進むことを望んでいます。できれば優秀な生徒に授業を引っぱっていってもらいたい。そこで「わかる人?」と声をかけたのにじーっとしている。優等生が引っぱらなくてどうする? ということになる。その消極さは評価できないとおっしゃる。

トップクラスの公立高校の校長先生に質問してみたことがあります。学校によって内申の厳しさに差があります。そのあたりの不公平さみたいなものは・・・とうかがってみました。すると「我が校ではどんな環境下でも認められる真のリーダーを求めているのです」とおっしゃっていました。どんなところでもみんなを引っぱり授業に協力的である生徒が悪く評価されるわけがない。内申が思うようにとれない方は、そのあたりを考えてみてください。

連載バックナンバー

著者プロフィール

長野正毅先生

Z会進学教室渋谷教室長。
80年代より小・中・高校生(大学受験生)の学習指導に携わり、
97年よりZ会の教室に講師として勤務。担当は国語。
受験国語にとどまらない確かな指導は、生徒はもちろん、保護者からの絶大な支持を集める。

30余年にわたる指導において先生が目撃してきた
できる子の学習法
できる子を育てる家庭の秘訣
について綴ったブログが大人気(日本ブログ村「高校受験」カテゴリーで1位)。
2015年にはブログの記事を集めた書籍「励ます力」を出版。