キャンパスレポーターに聞く、学び・大学生活の極意

私が目指す10年後の私

9月になり、新学期がスタートしました。新型感染症の流行で、再び通常とは異なる学校生活を送っている方もいらっしゃることでしょう。そんな状況下では、現実から少し離れて将来のことに目を向けてみると、気分が上がりやる気も湧いてくるかもしれません。みなさんは10年後、どこで何をしていると思いますか? こんなスキルや資格を生かした仕事をしていたい、こんな働き方をしていたい、こんな家庭を築いていたい、こんな考え方の大人になっていたい…など、さまざまな考えが浮かんできて、きっと夢がふくらみますよ。今月は、キャンパスレポーターの先輩に「私が目指す10年後の私」とそのために今がんばっていることなどを語っていただきましたので、ぜひお読みいただき、士気を高めていただければと思います。

二刀流!

名古屋市立大・医学部

▲お気に入りの本です。受験期も支えとなりました。
・『三体』/劉 慈欣 著/立原 透耶 監/大森 望・光吉 さくら・ワン チャイ 訳/早川書房
・『三体Ⅱ 黒暗森林』上・下/劉 慈欣 著/大森 望・立原 透耶・上原 かおり 訳/早川書房

私には2つの夢があります。医者になること、そして作家になることです。このことを友人に言うと()(げん)な顔をされますが、私はいたって本気です。10年後は、医療系の研究者として働きつつ、SF作家として活動したいと思っています。夢を達成するために、日々の学習に加えて、SF小説やドラマをインプットしたり、実際に書いたりしています。日々湧いてくるアイデアを必死にメモ帳に書き起こし、夜遅くまでパソコンに向き合うことは、もはや欠かせない習慣になっています。両立は厳しい、(いばら)の道に違いない。そう思う日もありますが、小さいころからの夢を成し遂げるために、今の自分を奮起させています。ここまで熱中できるものごとに巡り合えたことに感謝しつつ、明日の自分に迷惑をかけないよう、がんばっていこうと思います。

(3年 アラナミ)

10年後は弁護士に

京都大・法学部

▲オレンジのバラの花言葉である「情熱」を忘れずに目標に向かって邁進したいです。

10年後の自分は、弁護士として困っている人々を助けるために朝から晩までバリバリ働いていたらいいなと思います。今、私は弁護士になるための試験に合格するため、大学で法律や政治の勉強をしています。その中で多くの事件を知れば知るほど、自分の環境からは想像もできないほど大変な中で生きている人がいることを思い知らされます。毎日勉強して身につける知識や、アルバイトやサークルなどでの経験を生かして、そういう人々が幸せになるためにお手伝いができたら私はとても幸せです。目の前の人が何に苦しんでいるのか、どんな気持ちなのか想像して共感できるように、勉強だけでなくたくさんの経験を積みたいと思っています。

(3年 ねこ)

10年後の研究への準備

九州大・工学部

▲再生医療に関して、工学が関わっていると知った本2冊です。
・『やっぱりすごい! 日本の再生医療』/テルモ科学技術振興財団「生命科学DOKIDOKI研究室」 監修/朝日新聞出版
・『未来医療への挑戦者たち』/東京女子医科大学先端生命医科学研究所
※上記書籍は以下URLよりダウンロードにて閲覧可能です。
 http://twins.twmu.ac.jp/gcoe/rmn-book

10年後、世界のどこかで研究をさせてもらえていれば、とてもうれしいです。今一番やりたいと思っている研究は、「医学と工学の連携」です。細胞シートや人工臓器など、最近注目されている再生医療には、医学だけでなく工学のアプローチが欠かせないものがたくさんあります。人々の生活に欠かせない医学という分野に、自身が修めている工学という分野から関わることができたら幸せだろうと思います。
そのための準備として、大学では、工学部の履修科目だけでなく、生物系の講義も履修しています!履修科目が増えるのは少し大変ですが、やる気さえあれば大学ではこのように他学部の講義も受講できます。大学で学んだことが、10年後の研究に役立ち、さらにその研究が誰かを救えたら、と考えながら日々勉強しています。

(3年 木春菊)

歴史の魅力を広めたい

東北大・文学部

▲仙台で有名な歴史上の人物といえば伊達政宗。政宗の銅像が仙台城趾から街を見守っています。

私は現在、文学部で日本史を専攻しており、将来は学芸員として博物館で働きたいと考えています。私が目指す歴史系の学芸員は、史料や遺物を保存したり、博物館での展示を考えたり、展示解説や講演などを通して展示されている物や関連する出来事などについての知識を広める役割を担っています。文学部では、資格取得に必要な授業をすべて履修して単位を取得することで、学芸員の任用資格を得ることができます。私はこの制度を利用して資格を取得し、10年後、地元の博物館で学芸員として働き、学生だけでなく、大人から子どもまで地域のさまざまな人々に歴史の魅力を広めていきたいと考えています。

(2年 梅おにぎり)

社会人から学んだ10年後の理想の姿

九州大・経済学部

▲資格勉強の際、自分でとったノート(約100枚)です。

私が10年後に目指す姿は、「自分の仕事に誇りがもてる人間」になっていることです。大学生になり、さまざまな社会人の方とお話しする中で、カッコイイと感じる人はみんな自分の仕事にやりがいや誇りをもっています。将来どんな仕事に就くにせよ、自分の仕事が社会に貢献している、必要とされている、と胸をはって言えるようになることを将来の目標としたいと思っています。現在はその目標への第一歩として希望の職業に就くために、資格勉強やインターン(大学生向けの職業体験)に取り組んでいます。みなさんも、今の自分の生活を振り返ったときに「有意義な学生生活を送っている」と胸をはって言えるように、中高生という青春時代を過ごしていってほしいと思います。

(3年 前世はナマケモノ)

世界を知り、学び続ける

慶應義塾大・人文学部

▲机の上の世界地図。世界中見て回りたいです。

10年後の29歳になっているころには、自分の生きている世界のことをもっとよく知っている大人になっていたいです。そして、日々学びのある豊かな生活を送ることを目指しています。そのために今は時間を見つけて読書をするように心がけています。高校生のころまでは、現代の日本人の作家の小説を読むことがほとんどでした。しかし最近はそれに加えて、外国人作家の古典作品や、大学の授業で興味をもった分野の本や講義で紹介される参考文献などにも積極的に挑戦しています。また、英語や第二外国語として勉強しているイタリア語の勉強も続けて、いつかは世界中を自分の目で見に行きたいです。10年後の自分は想像もつきませんが、将来のために今できることをがんばっていこうと思います。

(2年 はっぴー)

「伝える」を仕事に

上智大・総合グローバル学部

▲参加していたワークショップのコンセプトブックです。終わった今もよく見返しています。

現在『Z3』のキャンパスレポーターとしてこうして記事を書いていますが、10年後も世の中に発信することを仕事としていたいなと思っています。私は言葉のもつ力について考えることが好きなのですが、短い言葉でも人々を動かすことのできる広告に興味をもっています。こうした興味から、大学1年生のときには某広告代理店が開催していたワークショップにも参加し、社会人の方と交わってディスカッションするなど、貴重な経験もできました。まだ具体的に進路を固めたわけではありませんが、どの職種を選んでも「伝える」力は必要不可欠だと思っています。残りの大学生活では文章においても口頭においても発信力を鍛えていきたいです。

(2年 ひい)

会社員のイメージ転換

東京大・文科二類

▲私のインターン先で撮った桜とビルです。高いビルを見ると気分が上がります!

10年後、私は会社で働いていると思います。以前だったらこのフレーズに対して、「お金のためだけに働く」とネガティブなイメージを抱いていたのですが、今は違います。会社の中で輝けるイメージを想像できるのです。私は今、インターン生と企業をつなぐ事業を運営する会社でインターンシップをしているのですが、そこで働いている社員のみなさんは本当にかっこいいです。締切間際に大きな商談を成功させたり、学生の相談に真摯に取り組み良い方向へ導いたり、私がミスをした際に(げっ)(こう)するのではなく、ミスの原因を共に考え次のステップにつないでくれたり、まさに彼らは理想の上司です。私は10年後この会社の社員の方々のように輝いていたいなと思います!

(2年 はるはる)

知的好奇心

東京大・理科一類

▲世界遺産検定のテキストです。
『くわしく学ぶ世界遺産300<第3版>』/NPO法人世界遺産アカデミー 監修/世界遺産検定事務局 著/マイナビ出版

僕は昔から知的好奇心が旺盛で、今ではいろいろな検定を受けることにハマっています。チャレンジした検定は幅広く、世界遺産検定といった教養的なものから色彩検定といった実生活にも生かすことができるものまで、本当にさまざまです。このように、10年後の自分も仕事や専門の分野にかかわらず、あらゆる方面のことを勉強しているのではないかと思います。自分から楽しんで勉強するという姿勢を継続していきたいですし、10年後ともなれば、自分の家庭についても考えている時期だと思います。実は僕の母も知的好奇心が旺盛で、僕はその背中を見て育ってきました。そういった姿勢を自分の子供にも見せられるよう、がんばって温かい家庭を築きたいなと思っています。

(2年 leen)

手段としての医学

東京大・理科二類

▲夢を叶えるため、常日頃から持ち歩いているお守り。

私は理科二類に在籍していますが、進学選択で医学部医学科に進学することを目指しています。10年後の目標は、臨床医となり、世界中の恵まれない環境の人々の生活を、医療の立場から支えていくことです。そのために現在は、まず医学科に進学するための勉強に日々励んでいます。また、世界にはどのような境遇の人々がいるのかについて知見を広めるため、さまざまなセミナーや勉強会にオンラインで参加しています。加えて、周囲の人の些細な変化に気づけるように気を配っています。単に医療を提供することならきっとロボットでもできます。相手の境遇を理解し、心に寄り添えるような人間になることこそが、医学を通じ真に私が目指したい人間像です。

(2年 たろたま)

地域に根ざして

京都大・総合人間学部

▲自然豊かな地元の景色です。

私は地域活性化に関心があり、将来は地元で地域づくりに従事したいと考えています。地域づくりの現場では、地域の人とコミュニケーションをとりながら地域の現状や課題を理解し、現地で得た知識や経験、感覚を大切にしながら活動することが求められます。「地域」という地域はありませんし、「地域の人」という人はいません。その町に一人ひとりの暮らしや人生があることを意識しながら、地域に根ざした仕事がしたいと思っています。また、地域社会はその中だけで完結する空間ではなく、周辺地域や中央政府などの影響も受けます。中央と地方をつなぎ、双方の意思疎通をはかれるような人になりたいです。

(3年 オオサンショウウオ)

将来の医師として

北海道大・医学部

▲大学の部室で撮影した写真です。医師になれる日が楽しみです。

私は将来、医師として働きたいと思っています。実は医師免許を活かして仕事をしている人はたくさんいます。みなさんが病院で出会う医師は臨床医と呼ばれる医師ですが、そのほかにも、行政で働く医師や医学的研究に取り組む医師もいます。私は現在臨床医になりたいと思っています。来年から始まる臨床実習での経験をもとにどのような医師になるかを決めたいです。最近、医師の働き方改革が取り上げられていますが、私は仕事だけでなく家庭も大切にしたいと思っています。女性医師だけでなく育児に関わりたい男性医師もいることでしょう。家庭を理由に仕事を諦めたり、その逆のことがあったりすることのないような職場になっていてほしいですね。

(3年 えい)

私の将来像

電気通信大・情報理工学域

▲高校時代から愛用している『速読英単語 必修編』です。カバーはボロボロになったのではずして使っています。

私は10年後、パイロットになるという夢を実現し、副操縦士になっていると信じています。とても狭き門ですが、これは私の現時点での目標です。初めは憧れであり、夢でした。私は中学時代に目を悪くし、一度は諦めていましたが、今一度調べてみたところ、裸眼視力は必要ないことがわかり、夢が再燃しました(笑)。しかしいくら夢があり希望があっても、努力をしなければ何も成し得ません。つらく長い高校や大学の受験勉強と同じです。現在の私は、理系の大学3年生ですが、パイロットになるにはとにかく語学力が欠かせないので、今できる最大限のことをやるようにしています。

(3年 (*´ω`*))