都立グループ作成入試問題 珠玉の1題_数学編

数学が選んだ珠玉の1題!
それは,西高校が大問4として出題した正四面体上を動く点が作る立体の問題です。
特に,この問題の問2 (1)がなかなかの曲者です。この問題を攻略するポイントは次の2点があげられます。
・長文を自分なりに整理して素早くまとめる
・図形の見方を変えてみる

この2点を念頭において,問題を見てみましょう。

この問題では,1辺60 cmの正四面体O−ABC上を動く点P,Q,Rが登場しますが,それぞれの動き方は次の通りです。

点P:頂点Oを出発し,辺OA上を毎秒4cmの速さで進む。また,辺OA上を3往復した後に,頂点Oで止まる。
点Q:頂点Bを出発し,辺OB上を毎秒2cmの速さで進み,頂点Oに到着したら10秒停止する。その後,頂点Oを出発し毎秒2cmの速さで進み,頂点Bで止まる。
点R:頂点Oを出発し,辺OC上を一定の速さで進み,頂点Oと頂点Cの間を1往復して頂点Oで止まる。

問2 (1)では点Rは毎秒1cmの速さで動き,80秒経過したときに立体O−PQRの体積は立体O−ABCの体積の何倍であるかを求める問題です。

もうこの段階で,「何がなんだかわからない」かもしれません。しかし,試験では時間内にせめて問2の(1)までは解ききらなければなりません!そこで2つのポイントを思い出しましょう!

【ポイント1】長文を自分なりに整理して素早くまとめる
やはり,時間内に解ききるためには,長文を素早く理解して正しく問題文を読み取らなければいけません。そこで,筆者の私は次のようにまとめてみました。

このように,それぞれ動く点を特徴的な部分についてまとめました。このように,図式化することで,80秒後にそれぞれの点がどの位置にいるのかがはっきりとわかりますね。

【ポイント2】図形の見方を変えてみる
次に,さきほど整理した情報によると,点Pの位置は点Aを出発し5秒経過した位置にいるので
OP=40cm
点Qの位置は,点Bで停止しているので
OQ=60cm
点Rの位置は点Cを出発し20秒後経過した位置にいるので
OR=40cm
となります。この結果を図示すると,下の図のようになります。



左の図が△ABCを底面としてみた場合,右の図が△OCAを底面としてみた場合ですが,全く同じ状況を表しています。
どうでしょうか,右の図の方が分かりやすくないでしょうか。
つまり,立体O−PQRと立体O−ABCは底面を△ORPあるいは△OCAとした場合,高さが共通であるので
立体O−PQR:立体O−ABC=△ORP:△OCA
となりますね。このように,左の図を見るとなかなか手が進まないが,見方を変えることによって,簡単な問題にすり替わりますね。

いかがだったでしょうか。
この問題では,「いかに長文の問題を正しく理解しできるかどうか」ということと,「立体の図形の見方を変えられるか」ということがポイントでした。

このようなタイプの問題は,西高校以外にも,日比谷・国立・立川高校の大問4で,立体図形の問題として出題されています
これらの問題を解けるようになるために必要なことは,数学の知識ではなく考え方です。

しかし,このような問題は練習する機会がほとんどありません。
ところが,Z会の添削問題では毎回必ず考え方を問うような問題が出題されており,練習する絶好のチャンスですよ!!さらに,皆さんがつまずきやすい部分をZ会では,入試特訓として独自にまとめており,ライバルに差をつけることができます。
まさに今回のポイントであった図形の見方は,「入試特訓 視点の変更」という単元でも扱います。

数学の珠玉の1題,いかがでしたか? 
今は,難しいと感じるかもしれませんが,しっかりとZ会の教材に取り組むことで,自然と解けるようになります。さらなる実力アップを目指しましょう!!

次回は,珠玉の1題(国語編)をお届けします。お楽しみに〜。


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