「作文ってどうして書かなくてはいけないの?」「作文が書けたからって、何かいいことがあるわけ?」
小学生のみなさんのそんな疑問(ぎもん)にお答えしましょう。
文章を書くのは、国語の時間だけとは限(かぎ)りません。
社会の調べ学習や、理科の実験の結果をまとめるときなどにも、文章を書きますよね。文章を書く力は、ほとんどすべての教科に影響(えいきょう)してくるのです。ですから、作文が得意になると、国語以外の教科の力ものびるのです。
それだけではありません。
実は「文章を書く」ということは、「深く考える」ということと強く結びついているのです。
作文の練習をたくさんした人は、深く考えることができるようになり、国語も算数も理科も社会も、今よりもっと楽しくなり、勉強が好きになるはずですよ。
授業や学級会で、自分の意見を発表しようとしたのに、途中で自分が何を言いたかったのかわからなくなってしまったり、自分の考えがみんなに伝わらなくて悲しい思いをしたりしたことはありませんか?
作文の練習をしていくと、そういう失敗がだんだんと減(へ)ってくるはずです。
というのも、「作文が上手になる」ということは、「自分の考えを人に伝えるのが上手になる」ということと同じだからなのです。
作文をとおして、どうやったら自分の考えが人に伝わるかな、と研究していくと、自然と発表上手、説明上手になることができますよ。
高校入試や大学入試では、作文の出題が増えています。
また、公立中高一貫(いっかん)校の適性検査(てきせいけんさ)でも、多くの場合、作文が出題されます。
作文が得意なのと苦手なのとでは、受験生になったときの苦労がちがいます。
作文が得意であれば、作文はあなたの強い味方になってくれます。
学校を卒業して働くようになると、毎日のように文章を書く機会があります。
仕事のやり方を説明したり、これをやってくださいとお願いをしたり、失敗をしたときにおわびをしたり、助けてもらったときにお礼の気持ちを伝えたり……。
ほとんどの場合、これらはメールや手紙、書類などの文書で行われます。
人に伝わりやすい、わかりやすい文章が書けると、スムーズに仕事が進められ、まわりの人からも「お、この人は仕事ができるな」と認(みと)められるようになりますよ。