「話すこと」の実施方法と問題構成

まずは「どうやって実施されるのか?」に注目が集まると思います。

今回の予備調査では、学校のPCにSpeakingの問題をセットし、生徒一人一人がマイク付ヘッドホンをした上で、PC上の映像ガイダンスにしたがって受験をしたそうです。クラスごとにパソコン室や視聴覚教室に順次移動して「話すこと」の調査に取り組む形です。

「話すこと」の解答時間は約5分。構成は以下のようになっています。生徒がマイクで発話した内容が録音され、その録音データが採点される仕組みです。

・質疑応答(イラストを参照して質問に答える)
・質疑応答(ナオミとリチャード先生の会話に参加する)
・学校紹介

5分という時間を見ると、さほど難しくないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ、上掲の映像ガイダンスにしたがって試験が進むので、当然後戻りはできませんし、制限時間の中での回答になるので、体感としての難易度はだいぶ上がります。
 

「学校紹介」の問題を紐解くことで、見えてくる必要な力

 学校紹介の問題を紐解いてみましょう。

「シンガポールの姉妹校の生徒とテレビ電話でお互いの学校の様子を英語で紹介する」という場面設定です。本稿を読まれている皆さん、今から1分で内容を考えて、直後に30秒で学校紹介(もしくは職場紹介)、できますか?

実際の試験ではタイマーが画面に表示され、カウントダウンが行われていきます。プレッシャーの中で英文を組み立てて、できる限り発話に持ち込む必要がありますが、「フリーズ」してしまう生徒も多いと予想されます。

「話すこと」に関しては、4技能の中で一番「場馴れ」の必要があると言っても過言ではないでしょう。

日本人英語学習者が不得手とするSpeakingですが、根本には「間違ったらどうしよう」という「ミスへの不安」があるのではないでしょうか。これは幼少期から「正解が1つに定まる問題」に取り組みがちな日本人の気質とも言えそうです。

英語が母語ではない人が英語を話していると「すごい!」となりがちですが、実際日常で行われているコミュニケーションの内容は、日本語に置き換えると「別に大したことない」内容だったりします。最初は、単語や知っている短いフレーズだけでも、コミュニケーションのきっかけには十分なり得ます。

「自分自身の言葉で発信する」場を設けることの重要性

まずはコミュニケーションの場を定期的に持ち、自分について少しずつ相手に伝える練習を積むこと。地味なアプローチに見えるかもしれませんが、それが何よりの近道です。学校のような「一斉授業」のスタイルでは、テキストの登場人物についての練習をすることはあっても、なかなか自分自身のことについて発話する機会は十分には取れません。そうなると、今回の予備調査で出題されたような「自分自身の言葉で発信する」ことへの対応力は養いきれないのです。

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公開日:2018/06/27