「読むこと」のパートの特徴

全体を通して500語程度の英文を読み解くことになります。中学卒業時に読み解くことができる英語の語数は1分間に50語前後という説があります。集中して英文を読む時間のみで、試験時間の半分を使うことになる計算なので、1つ1つじっくりと読んでいると、最後の記述問題で時間が足りなくなる可能性が。求められている情報がどこにあるのか、つまり「丁寧に読むべきはどこなのか」を判断する必要があります。特徴的な問題2つを以下で解説していきます。
 

長文読解問題

まずは「長文読解問題」です。2題出題されていますが、いずれも問われていることは「要旨」となります。

1つ目は「チョコレートについて調べた発表原稿を読んで、発表の初めに話の流れを示すスライドとして適切なものを選ぶ」という問題。与えられた選択肢の「スライド」には、すべて疑問文が並んでいます。疑問詞(Who / Where / When / What / Why / How)が問題を解くカギになるのですが、発表原稿の骨子がどうなっているのかをつかむことが求められています。
つまり、発表において「人」「場所」「時期」「理由」「手段」などのうち、何を語ろうとしているのかを原稿から読み取る必要があるのです。

2つ目は「イングリッシュ・カフェという催しのホームページを見て『参加者が事前に準備すべきこと』を知るためには、どの部分を読めばよいか」という問題。
ホームページに記載された情報を「催しで行われること(事実の列挙)」「参加者への依頼」「問い合わせについて」のように分類し、必要な情報が記述されている箇所をすばやく見つけ出す必要があります。

いずれの出題も、いわゆる「長文読解問題」として、皆さまがイメージされるもの(和訳、内容説明、空所補充のような問題が含まれる従来型のもの)とはだいぶ異なるものではないでしょうか?


 

記述問題(技能融合型)

 続いて「記述問題(技能融合型)」です。

「英字新聞に投稿された中学生からの意見を読んで、その生徒に向けて自分自身の考えとその理由を英語で書く」という、「読む」と「書く」が合わさった出題です。「写真と動画を比べて、思い出の保存という観点でどちらがよいと思うか」を答えることになります。

「読むこと」の中で、最後の設問なのですが、少なくとも残り時間が5分以上は欲しいところです。(ちなみに、この「読むこと」のパートも筆者の娘(中2)に解かせてみたのですが、「うわ、(「聞くこと」のパートに続いて)また書く問題出てきた!」という予想通りのリアクション。もはや、技能融合型の問題は「当たり前」になりつつあるのかもしれません。)
 

テストのためではない英語の力

ここまで読んで下さった方は、いずれの技能でも、「テストのために作られた問題」ではなく「実生活・実社会で求められる英語の力を問う出題」がなされつつあることにお気づきかと思います。

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公開日:2018/06/26