最後に、中学校で「プログラミング教育」が定着するかのポイントとして「高校入試」を挙げておきます。
公立中学校に通う生徒にとって、あるいはそうした生徒を指導する先生方にとっても、中学校生活における最大のイベントのひとつが「高校入試」です。特に3年生にもなれば、授業でも課外活動でも「高校入試」を意識したものが増えてきます。生活のありとあらゆる場面で「高校入試」が顔を覗かせます。そのような状況で、果たして「プログラミング教育」は生き残ることができるのでしょうか。――「公立高校」の入学試験を考えると、先行きはそれほど悪くないことでしょう。
公立高校の入学者選抜では「9教科の成績」が問われることが多いため、いわゆる「実技科目」でも手は抜けません。あるいは、中学校での特筆すべき活動実績が高校入試の際に有利に働く場合があるため、プログラミングに興味を持った生徒がいれば、先生方も後押ししてくれることでしょう(少し先の話になりますが、大学入試でも「これまでにどのような活動をしてきたのか」が問われるようになるとされています。大学入試については、マナビシフトの「
新大学入試」で様々な観点から触れています)。
また、公立高校の入試問題は「学習指導要領に沿った内容」が「まんべんなく」出題されています。直接的に出題されないまでも、思考力を問う問題が多くなっているため、いわゆる「プログラミング的思考」を意識した問題が出題されることは十分に考えられます。小学校で「プログラミング教育」が必修化し、高校入試でも「プログラミング」「プログラミング的思考」が意識されることで、中学校でのプログラミング教育は粛々と進んでいくものと考えています。