先日、大学入試センターは大学入学共通テスト(現行のセンター試験に代わって2020年度から実施予定)の導入に向けた平成30年度(2018年度)試行調査の問題と解答を公表しました。
試行調査は平成29年度に続けて2回目の実施となり、昨年度の試行調査に比べ、各教科で具体的に見えてきたものがありました。共通テストの試行調査から、どのようなメッセージが読み取れるでしょうか?そして、今からどのような学習を行っていけばよいでしょうか?
今回は、英語の試行調査問題から見えるものと、この共通テストを受けることになる、2019年4月時点で高校2年生までのみなさんが今から取り組むべき学習について説明します。

 

リーディングとリスニングが均等配点に

出題傾向は基本的に平成29年度試行調査の問題をふまえ、英語の実用的な力を測るものになっています。
筆記(リーディング)では、問題指示文は引き続き英語で記載されており、発音、アクセント、語句整序は問わず純粋な読解問題であることや、正解として複数の選択肢を選ばせる設問が出題されていることなども変わりありません。
リスニングでは、昨年度試行調査のバージョンBと同様、音声の読み上げ回数が1回と2回で混在する形式が取られました。また、アメリカ英語だけでなく、イギリス英語や非母語話者の英語が使用されている問題もありました。

今回特筆すべきは、これまで示唆されていたリーディングとリスニングの均等配点について、それぞれ100点ずつの配点にすることが明らかになったことです。大学入試センターは2018年6月の発表で、「具体的にどの技能にどの程度の比重を置くかは各大学の判断による」としてはいるものの、英語4技能の学習成果をバランスよく評価したいという強いメッセージが読み取れます。

どんな問題が出題されている?(リーディング)

料理のレシピやブログの内容など、実生活の中で起こりそうな場面が設定されています。また、語彙は平易なので読みやすいですが、センター試験に比べると量が多いように感じられるでしょう。実際総語数は増えているため、その分、必要な情報をすばやく見つけ、文章の要点を把握するスキルが問われています。文章中の事実と意見を区別して読むことができているかを問う問題が出題されているのも特徴的です。

例えば、リーディング第4問の問1、問4 は、生徒の読書習慣について書かれた2つの文章を読んで、それぞれの意見の要点を把握したり、意見の共通点について整理する問題でした。

どんな問題が出題されている?(リスニング)

リスニングでも、実生活の中で起こりそうな場面が設定されています。ある特定の箇所を聞き取れれば答えを導けるという性質の問題ではなく、複数の音声情報や図表の情報を組み合わせて解く問題が目立ちます。

ひとつ問題例を挙げると、リスニング第2問の問1 では、「クリスマスツリーの置き場所を決める」という具体的な状況設定で、会話の内容も「窓のそばがよいけれど、テレビの近くはだめ」といった実際にあり得る自然な会話が展開されています。

新高校2年生までの方が今から取り組むべき学習とは?

リーディングとリスニングの配点が同じになり、実生活に即した英語力が試されるということは、今後はリーディングだけに偏らず、4技能バランスよく英語力を伸ばしていく必要があり、普段の英語学習でも、実用的な場面での英語使用を意識する必要があることがわかります。

この「実用的な英語力」言い換えれば「英語を使って何ができるか」を測る尺度として用いられているのがCEFRです。今回の試行調査では、実はこのCEFRのA1〜B1レベルが出題範囲とされています。このA1〜B1というのがどのくらいのレベルなのかということについては、2018年3月に文部科学省が各資格・検定試験との対照表を示しています。

対照表の精度に議論の余地はあるとしても、概ね上記のようなレベルだと想像するとイメージがつかみやすいでしょう。ちなみに、紹介した2つの問題は、リーディングがB1, リスニングがA1レベル相当であることが大学入試センターによって示されています。

共通テストでもCEFRの基準が用いられるのならば、普段の学習から実用的な英語力について客観的に把握するために、CEFRのレベルを意識していくと効率的であると言えます。

Z会Asteria「英語4技能講座」なら、自宅にいながらListening, Reading, Writing, Speakingの4技能をバランスよく学ぶことができ、CEFRに完全対応しているので、実用的な英語力を身につけることができます。

上に示したのはAsteriaのサンプル問題です。リーディングでは意見の共通点を読み取る問題、リスニングでも「相手の座席番号を把握する」といったように今回の試行調査で出題された問題に似たものが多く含まれており、普段の英語学習の中で共通テストにもつながる英語の基礎体力を育むことが可能です。

試行調査の問題は、実は中学生でも解ける問題が含まれています。今からCEFRをもとにして英語4技能の学習を積み重ねていけば、来る共通テストにも立ち向かうことのできる力が身につくでしょう。

Z会の英語4技能講座では…iPadで『英語を使う』環境を疑似体験

未来を共創する21世紀型Online Academy Z会Asteria

 新大学入試で用いられる語学力の国際指標「CEFR(セファール)」基準で、4技能をバランスよく伸ばせる「英語4技能講座」、統計を含む分野別学習で学ぶ「数学新系統講座」。オンラインで他の受講生と主体的・対話的で深い学び(いわゆる、アクティブ・ラーニング)を実現した「総合探究講座」。知識に加え、社会で必要な力が問われる新入試に向けた一朝一夕では身につかない力を育めます。

iPad1台に深淵な学びの世界を凝縮したZ会Asteriaが、未来に向けて進むあなたを導きます。
※受講にはiPadが必要です。
公開日:2018/11/22
最終更新日:2019/03/29