セミナー概要
私塾界ソリューションセミナー2018
「英語4技能試験に対応する授業のつくり方」
2018年9月17日(月・祝)
【会場】赤坂インターシティコンファレンス
【主催】株式会社私塾界/全国私塾情報センター
【共催】株式会社ベネッセコーポレーション
【特別セミナー】ベネッセコーポレーション
【ワークショップ】「英語4技能対策授業のつくりかた」(宮崎公立大学 麻生雄治教授)

第1部 ベネッセコーポレーションによる特別セミナー

ベネッセコーポレーションによる特別セミナーからスタート。大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)の出題内容の確認、各大学の新入試対応に関するガイドラインの抜粋、英語4技能検定試験の1つであるGTECの紹介がされました。

◆プレテストのポイントをチェック

2018年2〜3月に、高校2年生を対象に実施された、大学入試センターによる新入試の試行調査(プレテスト)。主なポイントは以下であると報告されました。

  • 筆記(リーディング):大問6題から構成。解答時間は80分と現行の試験と変わらないものの、指示文が英語のみになり、正解が複数ある問題も登場。情報処理のスピードアップ、普段から多様な素材に意識的にふれておくことが必要と考えられる出題でした。
  • リスニング:大問6題から構成。解答時間は30分。問題音声が1回だけ流れる問題、2回流れる問題が混在する方式で実施されました。対話の場面や状況が日本語で示されるなど、聞き取る対象を理解してから聞く出題がみられました。正解が複数ある問題も登場。実際の日常の場面やコミュニケーションを想定した、「社会とのつながり」を意識した出題でした。

実際の問題は以下から見ることができます。

◆各大学の外部認定試験活用方法を知ろう

次に、各大学の外部認定試験活用方法に関する動きをチェック。国立大学の場合、国立大学協会により、外部試験の活用方法として主に「出願資格(CEFR A2以上)」「加点(配点2割以上)」「組み合わせ(出願資格+加点)」のパターンが示されていることが報告されました。
例えば、東京外国語大学の場合、(1)共通テスト(筆記)と資格検定試験、(2)「出願資格」としてCEFRのA2以上であること、(3)個別試験(前期)で英語スピーキングテスト(BCT-S*)を実施することが発表されています。
各大学の英語認定試験の活用方法については、大学ホームページで順次公開されていますので、志望大の動きをチェックしておきましょう。

*「BCT-S」は東京外国語大学とブリティッシュ・カウンシルが共同で開発するスピーキングテストです。
また、この他にも、ベネッセコーポレーションによる「学習指導基本調査」(2016)では、高校の授業における学習活動について2010年と2016年を比較すると、グループ活動・表現活動を取り入れた授業の割合が増加するなど、他教科と比べ英語の指導方法の変化度合いが大きいことが報告されました。学校によっては、高校1年時の1学期から「英語表現」にエッセイライティングを導入したり、授業にペアワークやグループワークを積極的に取り入れ、アウトプットを徹底したりするなど、4技能を意識した取り組みが増えてきている事例が報告されました。

第2部 英語4技能対策授業のつくりかた

後半は宮崎公立大学 麻生雄治教授によるワークショップを交えた講演。麻生先生は、高等学校で26年間の指導歴を持つベテランの先生で表現力育成のための効果的な指導法と評価法や、信頼性・妥当性・実用性の高い英語テスト作成法を研究テーマにしていらっしゃいます。今回のセミナーでは、「英語4技能対応授業の作り方」と題して講演が行われ、次のような授業実践の紹介と解説がありました。

◆英語は書道、体育と同じように運動技能を含む教科である

「(難関大)受験用英語指導と技能重視のコミュニカティブな指導は相反するものではない」というのが英語学習に対する先生の前提です。「日本史・英語・体育・書道のうち仲間外れはどれ?」と問いかけた麻生先生。答えは「日本史」。書道は書く、体育は走ったり泳いだり、同じように英語は話したり書いたりといった運動技能を含みます。そういった身体感覚で捉えていくことが指導する側・される側にとってもヒントになりそうです。

先生はまた、入試で4技能が問われるにあたり、「教室におけるパラダイムシフト」が起きつつあると指摘されています。
知識から技能へ、教師中心から生徒中心へ、個人からペア・グループへ、講義スタイルから活動スタイルへ、正確性重視から流暢性の重視へ、What から Why へ(本文中に記載された答えを探す形から、本文に基づいて「なぜそうだと考えられるか」を問う形へ)、Result(結果)からOutcome(成果)へ…。

この変化を受け、指導の中では、音読一つとっても、本文を虫食い式にした形で音読にすることで「読む+内容理解」を同時に行えるといった工夫が可能であると紹介されました。
特に新学習指導要領では、4技能5領域で「話す」には「やり取り」と「発表」の2種類があり、コミュニケーション能力の育成にはスピーチやディベート、ディスカッションを取り入れていく必要があるとされています。発話技能においては、「限られた時間でどれだけアウトプットできるか?」という流暢さ(発話量)、出されたテーマに対して即興的に反応できる力がより重視されるようになってくるそう。しかし現状では、以下のような課題が挙げられます。
  • 「コミュニケーション英語」の授業では4技能バランスよく指導できておらずリーディングが中心
  • 「英語表現」では話すことより書くことの方が多い
  • 学習者・指導者ともにまとまりのある英語を話す機会が少なく、(スピーキングの)テストが少ない
  • 何より、指導に関する方略論がない

◆「話す」はいきなりできるようにはならない!

「話す」練習を日々手軽にできる方法として先生が実践されているのが「即興スピーチ」。その際、「流暢さ」を測るのに役立つのが「ワードカウンター」(写真参照)なんだそうです。

ペアワークで、与えられた「ある語」に対して30秒で、もしくは「あるテーマ」について60秒で相手に即興でスピーチ、聞き手は話し手の英語での発話を心の中で復唱しながらカウンターで語数をカウントしていくという方法です。

実際に会場でも origami/folding paper(折り紙), canned coffee(缶コーヒー)を相手に説明して、何について説明しているか当て合うというペアワークを体験しました。相手のスピードに合わせてカウントするのは最初は少しコツが要りますが、お互いに1回目の発話の後、サンプル解答をモデリングとして読んで、それを参考にして2回目に発話すると、発話語数が増えたので驚きです!

日々少しでも「話す」練習を続けることで上達すると、「話すこと」そのものを好きになり、「スムーズにできる」という自信にもつながっていくことが報告されました。「発音」よりもまず、「内容」「流暢さ」「語彙」「文法」で評価していくことが大切なのだそうです。

全編にわたり、英語を知識として「知る」ことよりも、言語として実際に「使う」ことを重視し、バランスよく鍛えていくことの大切さを感じられる講演となりました。

〜自宅学習でも「話す」機会を持ち、4技能をバランスよく学ぶ〜

本レポートを通じ、お気づきいただけたかと思いますが、英語教育は今、大きな変革の時を迎えています。学校での学びはもちろん、自宅学習でも「話す」機会を積極的に持ち、かつ、4技能をバランスよく鍛えていくことが大切です。新大学入試対応はもちろん、その先も「使える」英語を学ぶ機会を、お子様にも与えてみませんか?

Z会の英語4技能講座では…iPadで『英語を使う』環境を疑似体験

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 新大学入試で用いられる語学力の国際指標「CEFR(セファール)」基準で、4技能をバランスよく伸ばせる「英語4技能講座」、統計を含む分野別学習で学ぶ「数学新系統講座」。オンラインで他の受講生と主体的・対話的で深い学び(いわゆる、アクティブ・ラーニング)を実現した「総合探究講座」。知識に加え、社会で必要な力が問われる新入試に向けた一朝一夕では身につかない力を育めます。※受講にはiPadが必要です。
公開日:2018/09/26