高校受験生の親が今できること

10月末〜11月初めというのは、文化祭をはじめとする学校行事が終わり、生徒会も2年生に引き継いで、いよいよ受験モードになってくる時期ですね。受験に向けてお子さまの体調管理や、精神面でのサポートなど、保護者の皆さんが担う役割はありますが、目の前の学習と向き合うのはあくまでも受験生本人たち。お子様が受験勉強に勤しむのを見守りながら、親としては半年後に迫った高校生活を見据えておきたいところです。
中3の今、お子さまの部活動の引退は記憶に新しいかと思います。「中学3年間はあっという間」というのを実感される方は多いですが、高校生活も3年間。あの忙しい毎日が再びやってきます。学習時間を十分に確保できない理由として「部活が忙しいから」を挙げる高校生は非常に多いです。

公立中学と高校で異なるのが、お子さまの同級生の学力レベルです。来春からは学力レベルがこれまでよりも格段に近い集団の中で学校生活を送ることになります。これまでよりも気の合う友達が多くなるというプラスの傾向はあるものの、中学ではクラスや学年でトップ層にいた生徒たちが集まってくることで見たことのない(低い)順位を経験する子もいる、というシビアな面も。そんな時に焦って叱り飛ばすだけ、ということのないよう、構造的にそうなり得ることを知った上でどっしりと構えたいものです。

さらに、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)、SGH(スーパーグローバルハイスクール)指定校や伝統校を中心に、「自主自立」「質実剛健」のような全人教育につながる学校理念を脈々と受け継ぎ、先進的な取り組みをしている学校が多くあります。高校生活を通して、個人が何か1つの研究課題に取り組むようなスタイルや、教科の枠組みを超えた課題を複数人で扱っていくようなスタイル、また理系分野や英語に特化して生徒たちがどんどん力を伸ばしていけるような仕組みなど、保護者世代にはなかった取り組みが活性化してきています。ただ一方で、塾をはじめとする校外学習の世界では、いまだに旧来の「試験対策」をするものがほとんどで、新しい取り組みによって知的好奇心を刺激されている生徒たちには物足りない一面も。
また、高校受験が地域密着型なのに対し、大学受験は一気に全国区、場合によっては海外へと一気にそのスコープが広がります。お子さまが目の前の学習に集中している中、少し視座を高くして、忙しい高校生活の伴走が可能かつ先進的な校外学習について、目を向けていきたいですね。

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公開日:2018/10/31