言語能力の国際標準規格「C E F R 」


CEFR(Common European Framework of Reference for Languages/ ヨーロッパ言語共通参照枠)とは、「その言語を使って何ができるか」を測る、言語能力の熟達度を測る国際的な尺度です。

例えば、「私は英語はCEFR B1、フランス語はA2,ドイツ語はA1 です。」と言うと、それぞれの言語がどれくらい使えるのか相手に伝わります。国境を越えた就職など人々の流動性が高く、第3外国語で仕事をすることも珍しくないヨーロッパでは日常で使われています。

情報や人のシームレスな移動によって多言語・多民族・多文化化していく世界では、複数の言語を共通の軸で見渡す考え方はますます重要になっていくでしょう。

新学習指導要領や新大学入試でも活用される「CEFR」


現在の日本ではあまり聞きなれない尺度ですが、実は新学習指導要領では、英語の4技能それぞれについて、Can-do つまり「●●することができる」という到達目標が設定されています。

この到達目標の基準となっているのが、CEFR です。

新学習指導要領では、一昔前の中学生が学んでいたことを小学校高学年で学ぶことになり、それにより、高校までの到達レベルも高まります。

「大学入学共通テスト」では、民間の資格・検定試験を併用して4 技能(聴く・読む・書く・話す)を評価しますが、各検定試験の結果(スコア・合否)と、それをCEFR に対応した段階別評価に置き直した成績が、大学入試センターから大学に送付される仕組みになります。

国際標準であるCEFRに沿った英語の学習に取り組むことが、そのまま学習指導要領が目指す英語の運用能力を身に付けることに役立ち、かつ、志望大学が入学者に求める英語運用能力を証明してくれることになります。

日本人の英語学習に適した「CEFR-J」


CEFR 基準で日本人の英語力をはかった場合、現状、大学卒業後も80%がA1・A2 レベルにとどまっており、特に【Writing( 書く)】【Speaking( 話す)】の発信技能はA1 レベルに集中していると言われています。本来、英語の学習では、文法や単語を覚えたら、それを言葉としてどのように使えるかということが重要ですが、覚えたことを実際に使える力が十分につけられていませんでした。

さらに、英語教育の実情にあてはめると、CEFR レベルを1つ上げるのに複数年を要するので、同じレベルでもばらつきが大きく、到達点が見えづらくなってしまいます。

このような状況を鑑み、投野 由紀夫 教授 (東京外国語大学)が中心となって、CEFR に準拠しながらもより日本人の英語学習に適した「CEFR-J」という指標が開発されました。

国際標準であるCEFRに沿い、さらに日本人の英語学習に適した「CEFR-J」に沿って英語の学習に取り組むことが、実社会で活きて使えることばとしての英語を育むことにつながります。

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公開日:2018/01/05