公開日 2016.7.11

2学期に向けて!夏休みにやっておきたい勉強(英語・数学・国語・発展編)

いつもより時間のある夏休み。2学期からの学習に弾みをつけるためにやっておきたい勉強について、苦手な人、得意な人に分けて、Z会の教材開発担当者がご紹介します。

◆英語

Z会の英語教材開発担当・池田智史が紹介します。

苦手な人:1学期の復習を
英語が苦手な人は、1学期の学習範囲の復習をして、文法事項と単語・表現の定着を目指しましょう。具体的には、以下の2つに取り組むのがおすすめです。

(1)文法事項の確認
1学期に学んだ文法事項を復習しておきましょう。なかなか定着しない場合、その文法事項に関する問題をたくさん解くことをおすすめします。文法事項は、問題演習を繰り返すことで定着します。間違いがあれば解けるようになるまで何度も繰り返し解くことがポイントです。

(2)教科書の音読
音読することで、頭だけでなく身体で英語表現を身につけることができ、単語やアクセントをきちんと覚えていない単語などに気づくことができます。辞書を引いてアクセントの位置を確認したり、教科書準拠のCDが手元にあれば聞いてまねしたりして、正しく発音できるよう繰り返し音読しましょう。たくさんの文章を1回ずつ読むよりは、一つの文章を繰り返し読むと、出てくる単語や表現を確実に身につけることができます。

なお、英語の学習は、週に数回など固めて学習するよりも、短時間でもコンスタントに取り組むのがおすすめです。

また、英語を学び始めたばかりの中1生は、それほど長い文章を読む段階にはないので、まずは、教科書に出てきた英文の意味がわかることと、その英文を書いたり口にしたりしてもう一度作れるようになることを目標に、1学期の復習を進めてください。


得意な人:興味のある分野の文章を読んでみよう
得意な人は、知識の復習などにとらわれず、英文を楽しむことをおすすめします。書籍でもWeb上の記事でも構わないので、趣味や興味のある分野に関する英文を読んでみましょう。全体的な内容を理解することを重視して、少しぐらいわからないところがあっても飛ばして構いません。そうすることで、楽しみながら新しい単語や表現を知ることができると思います。

「英語を学び始めたばかりなので長文はちょっと…」という中1生は、2学期以降の学習範囲の先取りを少しだけしてみるとよいでしょう。教科書の文章を読んでみて新しい表現を把握したり、自分の趣味や身の回りのことについて作文をしてみて、英語でどのように表現すればよいかわからないことを調べたりするのがおすすめです。


<夏休みにおすすめのZ会の教材>
『速読英単語』
これは、「興味のある内容の英文を読む」のにおすすめです。さまざまなテーマの英文が掲載されているので、タイトルや日本語訳を読んでみて「おもしろそう」と思った文章から順不同で読んでみましょう。
※書店やWebサイトでお買い求めできます。中高一貫コース本科「英語」を受講している中1・中2生には「中学版」が、中3生には「中学版」または「必修編」が届いています。

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◆数学

Z会の数学教材開発担当・平岡命が紹介します。

苦手な人は復習に、得意な人は先取りに重きを置こう
夏休みに取り組んでほしいことは、基本的には苦手な人も得意な人も同じで、以下の3つです。

(1)1学期の復習
(2)2学期に学ぶ単元の土台となる単元の復習
(3)2学期の先取り

数学は積み重ねの教科なので、前の単元の内容が理解できないまま次の単元に進むと、そこから先のすべての単元が理解できなくなってしまう可能性があります。したがって、これまでの学習内容に抜け・漏れがあれば固めておくことで、2学期以降「数学がわからない」という状況に陥らずに済みます。

苦手な人は、(1)1学期の復習、(2)2学期に学ぶ単元の土台となる単元の復習の2つには必ず取り組みましょう。そして、得意な人は、(1)1学期の復習が終われば、(3)2学期の先取りに時間を割きましょう。

以下に(1)〜(3)の具体的な進め方をご説明します。

復習は「わからなくなったところまで戻る」が鉄則
(1)1学期の復習

以下の手順で進めるのがおすすめです。

1)定期テストをもう一度解く
中間・期末テスト両方を解き直してみましょう。

2)解けなかったり、間違えたりした単元があれば、教科書に戻って復習する
教科書の内容が理解できて、章末問題が解けるようになれば、その単元の知識は定着したとみてよいでしょう。間違えた単元がなければ、1学期の学習範囲の知識は定着しています。「(2)2学期に学ぶ単元の土台となる単元の復習」や「(3)2学期の先取り」に取り組みましょう。

(2)2学期に学ぶ単元の土台となる単元の復習
例えば、2学期に「1次関数」を学ぶことがわかっていれば、それ以前に習った「比例・反比例」が理解できているかどうかを確認するなど、2学期の学習内容の前提となる単元が理解できているかどうか確認し、わからないところがあればその原因になる単元まで戻って理解しておきましょう。

中1生の場合、必要であれば小学校での学習内容まで戻りましょう。例えば、「比例・反比例」が苦手なら、小5 ないし小6で習った「比例と反比例」が理解できているかどうか確認しましょう。

(3)2学期の先取り
教科書を読んで例題を解いてみて、わからないところをメモしておきましょう。そして、2学期の授業でわからなかったところを重点的に聞く。そうすれば、学校の授業を受けること自体が復習になり、授業で知識を定着させて定期テストで得点できるという効果が見込めます。先取りなので、細かい点が理解できなくても構いません。2学期の授業で確認できれば問題ないので、概要をつかむ感覚で進めてください。

なお、数学を学ぶ上で最も重要なことは、「わからなくなったところまで戻る」ことです。最もしてはいけないのは、できない単元の問題を繰り返し解くこと。一つ前の単元を固めてからでないと、いくら繰り返し問題を解いてもできるようにはなりません。この点に注意して、今回紹介した学習に取り組んでください。


<夏休みにおすすめのZ会の教材>
・添削問題
ためている添削問題は復習用に、これから学校で習う予定の単元の問題がすでに届いていれば、先取りに活用することができます。

・『つながる知識・広がる思考』
中高一貫コースを受講している方へ8月にお届けする、英語・数学・国語の知識を普段の教材とは異なる角度から養う教材です。数学が苦手な人でも読み物として楽しめますし、得意な人は、いつもと毛色の異なる添削問題にぜひ挑戦してみてください。
※2016年7月29日(金)までに中高一貫中1・中2生向けコースを申し込むともらえる特典です。

◆国語

Z会の国語教材開発担当・中谷祐介が紹介します。

夏休みは、まとまった文章を読む機会に
苦手、得意を問わず、時間に余裕がある夏休みには、「まとまった文章を読む」ことをおすすめします。

入試問題に限らず、国語の出題は「次の文章を読んで問いに答えなさい」というものがほとんどです。文章を読むことに抵抗があると、問題を解く前段階でつまずいてしまいます。

また、普段は学校の国語の授業でまとまった分量の文章を読む機会がありますが、夏休み中は自分で機会を作らなければまったく文章に触れずに過ごす人もいるでしょう。すると、2学期が始まって再び国語の授業を受けたときに、抵抗感を覚えて苦手意識が生まれたり、高まったりする可能性があります。そうならないためには、継続的にまとまった文章を読んで、文章というものに慣れておくのが得策です。

以下に国語が苦手な人、得意な人それぞれにおすすめの文章をご紹介します。

【苦手な人】
  • 岩波ジュニア新書など、中学生向けの新書
  • 短編小説
  • 中学生向けの新聞に掲載されているコラム・小説
  • 教科書やこれまで取り組んだZ会の添削問題
論説でも小説でも、書籍の場合は短めの話が複数収録されたものを一話ずつ読むとよいでしょう。苦手な人がいきなり長い文章を読んでも、さらに苦痛が積み重なるだけです。小説なら、中学生や高校生など、等身大の人物が主人公のものといった、なるべく身近で読みやすいものがおすすめです。新聞は、大人向けの一般紙の内容はやや難しめなので、中学生を対象にしたものをおすすめします。Z会で国語を受講いただいている方であれば、これまでに取り組んだ添削問題の文章を読み返してみてもよいでしょう。

読む時間は、最低でも週1回、30分〜1時間ほど確保できるとよいでしょう。読むときは、多少わからない言葉があってもとりあえず目印だけつけておいて読み進めて、あとから振り返って辞書で調べるというスタンスでも構いません。辞書で調べることは語彙を増やす上で重要ですが、そればかりに気をとられると肝心の話の中身がわからなくなってしまいます。まずは話そのものを理解したり、楽しんだりすることを優先しましょう。

【得意な人】
  • 明治以降〜1970年代ごろまでの小説
  • 教科書やZ会の添削問題に出てくる評論文の著者のほかの文章
得意な人の場合、上に挙げたような少し背伸びした文章を好きなだけ読んでみてください。難しい、あるいは長い本であれば、その一冊を読破することを夏休みの目標に掲げてもよいでしょう。

古文は、音読を中心に
古文は、文章を音読することをおすすめします。題材は、教科書の文章でも、Z会の添削問題に掲載されている文章でも、一文だけの短い例文でも構いません。語彙や文法といった知識事項ももちろん大切ですが、まずは音読をし、古文の言葉の切り方やリズムを自然と身体に身につけていくことが大切です。

その上で、わからない言葉があれば調べてみましょう。とくに形容詞に注意して調べると、自分が読んだ文章がうれしさを表現しているのか、それとも、悲しさなのか、つまらなさなのかなどがわかります。そうやってまずは話自体を楽しんでほしいですね。


<夏休みにおすすめのZ会の教材>
『つながる知識・広がる思考』
8月にお届けする、英語・数学・国語の知識を普段の教材とは異なる角度から養う教材です。国語は、普段読まないような題材や、いつもの添削問題とは異なる読み方を求めるような添削問題をお届けします。この教材で学習したことをほかの文章を読むときにも生かすと、また違った角度から文章を読むことができると思います。
※2016年7月29日(金)までに中高一貫中1・中2生向けコースを申し込むともらえる特典です。

◆発展編(総合)

Z会中高一貫コース専科「総合」の教材開発担当・川渕健二が紹介します。

普段はできないことに挑戦してみよう
教科の枠を超えて、夏休みに取り組んでみてほしいことは以下の4つです。できるものだけで構わないので、挑戦してみましょう。

(1)自分なりの勉強法を見つける
勉強の進め方は人それぞれですから、誰かに聞いた方法が自分に合っているとは限りません。試行錯誤する時間を持てる夏休みを使って、自分にとってベストな勉強法を探してみましょう。その際に大事なのは、失敗を無駄だと思わないこと。トライ&エラーを繰り返すことで、どんな方法が自分に合っているのかを見極めることができます。そのプロセスは、決して無駄なものではありません。

(2)複数の新聞を読み比べてみる
ニュースや身の回りの話題について、図書館に行って複数の新聞を読み比べてみましょう。例えば、2016年7月10日(日)に実施された参議院議員選挙について、各新聞がどんな意見を述べていたのかを比較してみるとよいかもしれません。
そして、一つの話題について異なる意見を目にすれば、なぜ意見の違いが生じているのかを考えてみてください。物事に対して、一つの意見だけが「正しい」わけではありません。また、同じ事実を根拠にしていても、論の組み立て方によって異なる意見ができあがることもあります。新聞を読み比べることで、これらのことをぜひ感じ取ってほしいと思います。

(3)「仕事」について知る
保護者や親戚の方に、仕事の話を聞いたり、職場を見学させてもらったりして、働くということについて調べてみましょう。一人の仕事が社会とどのようにつながっているのか、また、「アベノミクス」「非正規雇用」などニュースで見聞きする言葉が仕事の現場でどのように現れているのか、社会の一端を垣間見ることができると思います。人は一人で仕事をしているわけではなく、ものすごく大きなネットワークの中の一つの接点として働いています。このことも感じ取ってもらえればと思います。

(4)「総合」の答案を書き直してみる
「総合」を受講している人は、これまでの答案をもう一度書き直してみましょう。ただし、前回書いた自分の意見を覆す立場で書くのが条件です。おそらく、根拠と具体例まで示して書くためには、様々な情報を調べ直さなければならないでしょう。そうやって調べることで、また違う世界が見えてきますし、考えを整理し、表現する力も磨かれます。

保護者の方がお子さんと議論する際は、筋道を立てて意見を
もし、保護者の方がお子さまの学習をサポートされる場合、お子さまが「総合」を受講されているのであれば、お子さまの意見を否定する立場で議論をしてみていただきたいと思います。「総合」を受講されていない場合は、ある話題やニュースについて、意図的にお子さまとは異なる意見や反対意見を出して議論してください。
その際、必ず行っていただきたいのは、根拠と具体例を示して議論することです。何の根拠もなく反対意見を述べても、議論は成り立ちません。お互いに根拠と具体例を調べて議論することで、お子さまの情報を集めて活用する力が磨かれます。


理科・社会の勉強法については、自由研究に関するアドバイスも含めて7月末に掲載します。