公開日 2017.7.6

Z会中高一貫コース「総合」講座は、「人文分野」「自然分野」「社会分野」の中から、毎月1分野に取り組み、答えがひとつではない問いに自分なりの答えを見つけ、それを他の人と深め合いながら解決できるようになることを目指した講座です。
ここでは、「総合」講座の問題と実際に会員から寄せらせた解答、担当者の講評をご紹介していきます。

◆中1 _自然分野 今日からキミも研究者!

◎出題のねらい◎
研究者は、疑問をもったときに、どういう順序で考えて、その疑問を解決するのでしょうか。
メダカやタンポポといった身近な生き物の例や、「磯焼け」という聞きなれない環境問題をテーマにした問題文をとおして、疑問の解決に至るまでの考え方をじっくりと学んでもらいました。

添削問題の後半では、応用として、磯焼けになった海を回復させるためにできる取り組みについて、原因を分析しながら考えてもらいました。

◎問題◎

磯焼けになった日本各地の海を回復させるために、どのような取り組みができるかを考える。(1)、(2)で答えたことをふまえ、次の問a、bに、なぜそのような取り組みをするとよいのかを含めて答えなさい。
a タコとダイバーが実験を行った海の近くの地域に住む人々が、すぐに成果を出すためには、どのような取り組みができるか。
b 日本各地の海で今後磯焼けを起こさないために、直接海に関わっていない人でも、具体的な行動として、どのような取り組みができるか。
◎答案例1◎
a 海藻を食べる魚の漁に力を入れる。そうすれば、海藻を食べる魚が減り、海藻が増えていくと思う。また、ウニもとれば、小さな海藻も食べられなくなり、海藻がよく成長して、より早く増えると思う。
b 地球温暖化防止を心がける。海の水温が上がる原因は地球温暖化だから、地球温暖化にならないように、節電や車の利用を減らすなどして、気をつける。

◎答案例2◎
a ウニが生えたばかりの小さな海藻を食べてしまうのだから、人間の手でウニをつかまえてその海にいるウニを減らすという取り組みができると思う。
b もともと海の水温が上がったからウニや魚が増えてしまった。だから、海の水温が上がらないように、国際的に二酸化炭素などの有害物質を減らす条約などを、採択する取り組みができると思う。

◎答案例3◎
a 海藻が集まっている所を、実験のようにフェンスで完全に囲う。そうすると、ウニや魚が海藻を食べることを防げ、フェンスの中でどんどん海藻が増えると思うからだ。
b 磯焼けの根本的な原因である海の水温の上昇を抑えるべきだと思う。そのために、近所へは公共交通機関か自転車で移動したり、必要な分だけ物を買ってきてごみを減らしたりするなど、地球温暖化の進行を抑えることが必要だ。

◎講評◎
この問題では、磯焼けを解決するために、aで「直接的に」、そしてbで「間接的に」みなさんがどう関わっていけるかを考えてほしい問題でした。
「答案例1」では間接的な原因を取り除くために、「節電や車の利用を減らすなどして、気をつける」という今すぐにでもできる取り組みを挙げていました。他にも「公共交通機関を使う」、「徒歩にする」、「電気やガスの使用を必要最低限に抑える」という意見は多く寄せられました。
「答案例2」はまた違った視点から、「海の水温が上がらないように、国際的に二酸化炭素などの有害物質を減らす条約などを、採択する」という提案がありました。地球温暖化のように、一人での解決が難しい場合、まわりを巻き込んで解決していくという視点も今後大切になります。
「答案例3」のように、直接的な原因を取り除くため、「海藻が集まっている所を、実験のようにフェンスで完全に囲う」というユニークな意見もありました。

◆中2 _自然分野 この暑さって温暖化?〜今、地球に何が起こってる?〜

◎出題のねらい◎
現在、世界中で議論され,研究が進んでいる“地球温暖化”。
そもそも、温暖化の原因とは何なのでしょうか。
なぜ今、「温暖化が進んでいる」と叫ばれているのでしょうか。
5月号では、様々な観測データをもとに、地球の過去や現在を知り、さらに未来について考えました。
Z会に提出してもらう添削問題では、地球温暖化の原因について、教材で学習したことをもとに論述してもらいました。
その中には、教材には載っていない、より深い情報を自発的に調べて記述してくれた答案や、筋道を立てて読み手が理解しやすいようにまとめてくれた答案などがありました。
また、論理的に、過不足なく文章を書くためには、与えられた文章や資料、グラフなどから必要な情報を読み取る力も必要です。

◎問題◎

ハカセと生徒の会話を聞いたAさんは、現在起こっている地球温暖化の原因について次のように意見を述べた。
Aさん:今起こっている地球温暖化は人間の活動とはまったく関係がなく、図1(省略)にあるような何十万年も前から起きている自然の現象であると思う。
あなたが、Aさんの意見に反論するとしたら、どのように述べますか。大問2(2)の内容をふまえたうえで、150字以上200字以内で書きなさい。
◎答案例1◎
たしかに、図1だけを見ると何十万年も前から起きている自然の現象だとも言える。しかし、図1は100年で0.05度しか上昇していないが、2に目をむけると100年で0.75度も上昇している。また、ハカセが言っているように、石油や石炭をたくさん燃やすようになったのはここ数百年のことで、図2は人間活動によって上昇したとも言える。よってただの自然の現象だと決めるのは、間違っていると思う。

◎答案例2◎
何十万年も前から繰り返されている自然現象は、100年間に0.05度程しか気温が上昇していないのに対し、現在起こっている地球温暖化は100年間に約0.7度の気温の上昇という自然現象に比べて遥かに大きい数値となっていることから、これは紛れもなく、人類の活動で、石炭や石油がもやされることにより生まれる温室効果ガスによるものである。

◎答案例3◎
(2)で求めた事より、地球の温暖化は人間が森林を伐採することや、ガソリンが燃料の車の量が多いことなどが原因であることが想像できる。それは、過去の約1万年間の地球全体の平均気温を平均した気温と、1900年からの100年間における気温を比較したときに、10倍以上の気温の違いがあったことから分かる。したがって、今起こっている地球温暖化は人間の活動とはまったく関係がないわけではない。

◎講評◎
今回の課題では、Aさんの意見に対して核心をついて反論できるか、ということがポイントでした。反論する際には、「Aさんの意見に反対である」と自分の立場をはっきりと述べることや、反論する理由を具体的に述べることができると、読み手にとってもわかりやすい文章になります。
「答案例1」は、温暖化の一部は自然の現象によるものと認めつつ、Aさんの意見に反論しているところからも、図や文章をきちんと読み取って、客観的な視点をもって記述できていることがわかります。問題の中で使える情報を整理してから、自分なりの意見を考えてみる、という流れで記述問題を解いていくと、よりよい文章が作成できます。
「答案例2」では、Aさんに反論するための根拠を、数字を用いてわかりやすくまとめています。グラフから適切な情報を読み取り、効果的に記述に利用できています。
「答案例3」ではさらに、Aさんに反論するための根拠と、反論の仕方が明解でわかりやすくまとめられています。


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