分析速報

■分量と難度の変化
・難易度は昨年度より難化
・分量は変化なし
■今年度入試の特記事項 
・2012年の出題以来,久しぶりに大問1が小問に分かれた。
・共通問題2題が理系と完全共通だが,昨年度ほどは難しくない。
・常用対数表の活用を問う問題があった。
・大問2,大問3は文系だけの出題だが,文字の見方を問われるもので,文系には厳しいかもしれない。
■合否の分かれ目 
・大問1,大問5は確実に得点を重ねたい内容。大問5は空間図形の問題だが,典型的な出題であり,ここを落とすとつらいだろう。
・合わせ技で3問分確保できれば十分勝負になりそうだ。
■大問別ポイント
 第1問 

・問1は整式の除法に関する基本問題。確実に得点したい。
・問2は常用対数表を用いて,評価を行う。最高位から2桁の数字に少し戸惑うかもしれないが,最高位の数字と考え方の基本は同じ。確実に得点したい問題。
 第2問 
・絶対値,文字定数が絡む2次関数の最大・最小問題。
・文系の生徒が嫌う内容を詰め込んだもので,文字の見方がポイント。得点は伸びないだろう。
 第3問 
・2次不等式を題材とした必要十分条件に関する問題。
・図形的なイメージができれば方針は立つが,扱う文字が多いこと,「すべて」,「ある」の正しい理解など,これも得点は伸びにくい内容。
 第4問 
・事象の捉え方がポイントの確率の問題。
・具体的なkで実験してみれば,{1,2,3,4}と{5,6}がどのような並びになればよいかが見えてくるが,難しいかもしれない。
 第5問 
・球に内接する正四角錐の体積の最大値を求める典型問題。
・パラメータのおき方など経験の有無で差がつくかもしれない。 

攻略のためのアドバイス

京大文系数学を攻略するには、次の3つの要素を満たす必要がある。
●要求1● 手早く正確に計算をする
  最近の京大文系数学においては,計算力さえあれば完答できる問題が出題されることも少なくない。このような問題を短時間で解くことができれば,思考力を要する他の問題に時間をかけることができる。また,計算力が得点に直結する微分法・積分法も頻出分野である。計算力は日々の計算練習で身につくものである。問題集などを使って,毎日,計算練習をするようにしよう。
●要求2● 問題の構造を捉える力
    京大文系数学において頻出の分野として,図形問題がある。図形問題には,初等幾何,ベクトル,座標幾何などいろいろな解法があり,どの解法を取ればよいのかをまず考えてから解く必要があるものが多い。どの解法を使うのか,見方を変えてほかの問題に帰着させることができないかなどを発想できる力をつけることが必要である。発想力は,京大の過去問など発想力を鍛えられる問題を解き,考える訓練をすることで身につけられる。
●要求3● 採点者に自分の考えを伝える力
   証明問題において論証力が要求されることは言うまでもないが,求値問題においても,答えに至る過程を丁寧に説明する力が要求されるものが目立つ。記述式の試験においては,自分の頭の中では分かっていてもそれを採点者に伝えることができなければ,点数に結びつかない。論理的に無理なく,より簡潔に答案を書くための論証力をつけることが必要である。論証力は自分一人で勉強を進めても身につきにくい。この力は,Z会の通信教育で別の人に採点・添削をしてもらい,その結果を復習することで身につけられる。

   まずは,各分野の完成からである。京大入試では様々な考え方が必要とされるので,苦手分野があれば,遅くとも高3の夏休みまでには克服したい。Z会の通信教育では,入試に必要な考え方を幅広い分野の演習を通して身につけることができるようになっている。

 高3の秋以降は,それまでに身につけた考え方を,実戦的な問題演習を通して使いこなせるようにしていこう。受験生用のZ会の講座では,微積分,図形,整数,確率といった京大頻出分野の問題を中心に,論証力も養成されるように学習を進めていく。

 センター試験が終わったあとは,これまでの学習の総まとめである。京大入試に即応したZ会の問題で,入試に使える計算力・発想力・論証力を完成させよう。

▼「京大コース」文系数学担当者からのメッセージ
文系としては難易度の高い問題を出題する京大とはいえ,解ける問題も出題されている。今年であれば,大問1,大問5であろう。このような問題を確実に得点することが必要である。
 大問2,大問3は文系が苦手としやすい内容だが,こういった弱点になりやすい所を積極的に補強しておくことも大切だ。
 微積分,確率,図形,整数といった分野は京大では頻出分野である。これらの分野は計算力,発想力,論証力をみるのに適しているといえる。Z会の教材は,これらの力を鍛えるためであることはもちろん,論証力といった人に説明する力も添削で養うことができる。数学は短期間で鍛えることができる力ではない。少しでも早く対策ができるように学習をスタートさせてほしい。

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