過去問題

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豊島岡女子学園中学校の理科にTRY!

「カコモンにTRY!」は、過去の中学入試で出題された問題の中から、中学受験コースの皆さまに挑戦していただきたい問題を紹介するコーナーです。
ぜひ、お子さまと一緒に取り組んでみてください。

※5年生以上で習う漢字には( )で読み仮名をつけています。

【2016年10月27日】

今回の問題をご紹介(しょうかい)する理由

力学の計算は入試でよく出題されます。今回ご紹介する問題は、てこのつり合いの中でも条件(じょうけん)が複雑(ふくざつ)で、一見とても難(むずか)しそうに感じるかもしれません。ただ、あたえられている数値(すうち)をもとに順番に考えていけば必ず解(と)けるので、あきらめずに取り組んでいただきたいと思います。

今回のレベル:★★★

★:3・4年生も理解できる基礎的な問題
★★:4・5年生ががんばって解ける問題
★★★:6年生向けハイレベル問題     

【問題】 

2016年度 豊島岡女子学園中学校 第1回 大問3
物体には重心があり、その物体のすべての重さは重心に集まっていると考えることができます。一様な物体の重心は、物体のちょうど中心にあります。以下の問いに答えなさい。
長さが120cmで重さが4800gの一様な筒(つつ)があり、この筒は両端(りょうたん)が開いています。図1のように筒の左端(はし)から65cmのところを三角台で支え、筒の中におもりを入れると、おもりの重心が三角台より右側に30cmの位置のとき、筒は水平を保って止まりました。

(1)おもりの重さは何gですか。小数点以下第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

(2)図1の状態から、三角台の位置だけを少し左にずらすと、その直後に筒はどうなりますか。最も適当(てきとう)なものを次のあ〜うから1つ選び、記号で答えなさい。

  あ. 右側が下がるように傾(かたむ)く。
  い. 左側が下がるように傾く。
  う. そのまま動かない。

次に、図2のようにこの筒の中心に厚(あつ)さと重さが無視(むし)できる仕切りを取り付けました。筒の左端から65cmのところを回転軸(じく)として、回転できるようにすると、筒の左端が床(ゆか)に接(せっ)して止まりました。筒の右端から水を注(そそ)ぐと、図3のように水は仕切りから漏(も)れずに筒の右側にたまっていきました。1cm3あたりの水の重さは1gで、筒の断面積(だんめんせき)は80cm2とします。

(3)筒が空になっているときに、筒の右側(みぎがわ)に1秒あたり20cm3の水を注いでいくと、水がたまり始めてからちょうど2分が経過(けいか)した直後に筒は回転しました。回転し始めるとき、水の重心は回転軸から何cm離(はな)れていますか。小数点以下第1位を四捨五入して整数で答えなさい。ただし、実際(じっさい)の水面は水平方向になりますが、(3)、(4)では図4のように水面が筒に垂直な方向に傾いていると考えてもよいこととします。


(4)再び筒を空にしてから1秒あたり20cm3の水を注いでいき、途中(とちゅう)で注ぐ水の量を1秒あたり30cm3に増やしたところ、筒が回転するまでの時間が(3)と比べて20秒はやくなりました。注ぐ水の量を増やしたのは、水を注ぎ始めてから何秒後ですか。小数点以下第1位を四捨五入して整数で答えなさい。


(5)筒の仕切りより右側を水よりも軽い物質で満たしたときに、筒が回転するためには、1cm3あたりの物質の重さは何gより重くなければならないのでしょうか。小数点以下第2位を四捨五入して第1位まで答えない。

攻略法

【解答】(かいとう)

(1)800g (2)あ (3)10cm (4)60秒後 (5)0.2g

【解説】(かいせつ)

(1)筒(つつ)が水平を保(たも)って止まっているので、筒は水平につり合っています。筒の重さを考えるときのてこのつり合いは、重心の位置に筒の重さと同じ重さのおもりが下がっていると考えることができます。筒の重心は三角台から左へ5cmの所になるので、おもりの重さを口gとして、てこのつり合いの式で表すと、
4800×5=口×30
      口=800(g)
おもりの重さは800gになります。


(2)三角台の位置を少しだけ左にずらすと、三角台と重心の距離が5cmよりも近づくので、左側に回そうとするはたらきが小さくなり、筒は右側が下がるように傾きます。

(3)1秒あたり20cm3の水を注いでいるので、2分後には20×120=2400(cm3)の水がたまります。筒の断面積(だんめんせき)は80cm2なので、仕切りから2400÷80=30(cm)の離れた所まで水がたまっています。よって、水の重心は仕切りから15cm、回転軸(かいてんじく)からは10cm離れた位置になります。


(4)20秒早く筒が回転するので、1分40秒で2400cm3の水がたまったことになります。口秒まで1秒あたり20cm3で注ぐとすると、
20×口+30×(100−口)=2400
           口=60(秒)
よって、60秒後に注ぐ水の量を増(ふ)やしたことになります。


(5)仕切りより右側を満たすので、この物質の重心は仕切りから右側に30cm、回転軸からは25cmの位置になります。物質の重さを口gとして、てこのつり合いの式で表すと、
   4800×5=口×25
      口=960(g)
また、この物質の体積は、80(cm2)×60(cm)=4800(cm3)になります。
よって、960÷4800=0.2(g)より重くなると筒が回転することになります。


 

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