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学校えらびの視点

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<学校えらびの視点>

【2016年度 第4回】運動施設 〜運動も勉強も楽しみたい

学校選びの基準とは何なのでしょうか? 悩みがちなポイントを毎回少しずつあげ、それについてお話ししてまいります。

【2016年5月12日】


 
 

こんにちは、中曽根陽子です。今回のテーマは運動施設です。

さっそくですが、今春出版した拙書『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』の中で、学校選びの7つのポイントを紹介しています。その中の一つが、「課外活動を重視しているか」という項目です。

課外活動には、部活・行事・体験学習などいわゆる教室での授業以外の取り組み全般を含んでいます。昔から文武両道という言葉があるように、学びは教室の授業の中だけにあるわけではありません。今回は、それらの活動を支える学校施設(とくに運動施設)から見える学校の特徴について考えていきましょう。

運動施設といえば、運動場や体育館は当然ですが、なかには柔道場や剣道場、プール、テニスコート、ゴルフ練習場など、特徴的な施設をもっている学校もあります。

たとえば、成城中学校・高等学校(東京都新宿区)では、創立以来「文武両道主義」を伝統としていますが、新校舎になって運動施設がさらに充実しました。バスケットボールコート2面、バレボールーコート4面がとれる都内有数の広さの体育館のほかに、体操競技の機械を備えた体育室を完備。外には人工芝が敷かれた運動場やテニスコート、プールまで運動施設が充実しています。この学校の行事「臨海学校」は大正時代から受け継がれていますが、その準備として、泳げるようになるまで指導をするそうです。

また日本大学豊山中学校・高等学校(東京都文京区)も都心の学校らしく、地下2階地上11階建てのビルですが、その最上階に温水プール、地下には吹き抜けの体育館が設けられています。

このように、都心にあっても工夫をして運動施設を確保しています。また、新校舎建設に際して運動施設を充実させているということは、勉強と同じく運動も心身の成長のために欠かせないものとして、重要視している証でもあります。

郊外に行けば当然より広い敷地を確保しやすく、たとえば桐朋中学・高等学校(東京都国立市)には、300mトラック、バレーボールコート(6面)、サッカーの公式試合ができるグラウンドのほかに、野球場や柔道場、屋内プールも完備されています。こちらも進学校でありながら部活が盛んな学校です。

このように運動施設が充実している学校では、教育方針として勉学と部活動等とを両立させる文武両道を掲げているところが多く、男子校に多くなっています。

その一方で、立地の条件で広いグラウンドを確保できない学校もありますが、周囲の施設を活用するほか、郊外に広いグランドなど運動施設をもち、放課後にバスを出して移動するなど工夫をしているところもあります。渋谷教育学園渋谷中学高等学校(東京都渋谷区)もそんな学校の一つです。

運動施設は、部活はもちろんですが、体育の授業や行事にも活用されます。特徴的な競技用の施設をもつ学校では、一般の生徒もそれらの競技を体験できるので、体育がきっかけで新しい競技に興味をもつようになったという例もあります。充実した施設は私学の特徴の一つといえます。どのような施設にスペースとお金をかけているか、それも学校の特徴を知るものさしになるでしょう。

 

中曽根陽子
中曽根陽子(なかそね・ようこ)

教育ジャーナリスト
女性のネットワークを生かした企画編集会社「ワイワイネット」代表。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。「教育現場の取材、著名人インタビューなどを手がける傍ら、海外の教育視察や講演活動も行っている。母親のための学びの場「MotherQuest」を主宰。近著に『後悔しない中学受験』(晶文社) 『子どもがバケる学校を探せ!中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)などがある。
2月に『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)が発売された。


 

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