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学校えらびの視点

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<学校えらびの視点>

【2016年度 第2回】校則 〜多い?少ない?

学校選びの基準とは何なのでしょうか? 悩みがちなポイントを毎回少しずつあげ、それについてお話ししてまいります。

【2016年3月10日】


 
 

校風が子どもに与える影響は案外大きいものです。しかし、ひと口に校風といっても、学校の数だけ違いがあります。それを見きわめるにはそれなりに学校研究をしなくてはなりませんので、校則に注目するのも手です。なぜなら校則は、その学校の教育に対する考え方の一端を表しているものだからです。

前回お話した宗教校のうち、カトリック系の学校は服装規定など細かい校則が定められているところが多いです。たとえば湘南白百合学園は、髪が肩についたら2つにくくり、 染髪、パーマ(ストレートパーマを含む)は禁止。傘やマフラー、髪を結ぶゴムの色まで細かく決まっています。この背景には規律を重んじ、質素を旨とするカトリックの宗教的な背景があります。

宗教的背景がなくても、服装規定や携帯の所持、通学途中の立ち寄りやアルバイトの禁止など、いわゆる生活指導を含めた細かい校則を定めている学校はけっこうあります。文部科学省によると、「校則とは,児童生徒が健全な学校生活を営み,より良く成長・発達していくため,各学校の責任と判断の下にそれぞれ定められる一定の決まり」とあります。つまり、生徒が健全な学校生活を過ごせるように一定のルールを定めているのです。その内容や理由は、学校によってもさまざまだと思いますが、細かい校則を定めている学校では、一定の決まりを設けて管理することで規律を保ち、生徒の健全な学校生活を確保しようとしています。また、枠の中で自分を律する精神を育てるという教育的な意味もあるでしょう。

我が家の子どもたちも校則の厳しい学校に通っていました。当時は細かい校則に疑問を感じるときもあったようですが、社会に出て振り返ると、細かいルールがある組織の中でも対応できる力が身についたのでは、と感じています。

いずれにしても入学すれば規則には従わなくてはならないので、学校の考え方に同調できるかどうかは、チェックポイントです。

一方、細かい校則は定めず、生徒の自主性に任せている学校もあります。たとえば麻布中学校・高等学校では、バイク登校や、アルバイト、賭けごと、そしてなぜか下駄が禁止という以外、校則はほとんどありません。

女子学院も校則は次の4つのみ。1.女子学院のバッジをつけること、2.校内では上履きを履くこと、3.校外活動は届けを出すこと、4.学校にいる間は無断で外出しないこと。両校とも、制服もありません。しかし、校則に定めていないことは何をしてもいいといっているわけではありません。規則によって縛るのではなく、自分で自分を律する力を育てようという考え方なのです。

このように自主性を尊重する学校では、細かい校則を設けず生徒の自主判断に任せるところが多いです。

自立した人間になるには、自律心を身につけることが大切です。社会で生きていくためには、当然自分が所属する社会のルールを守らなければなりません。最終的には、「決まりだから」ではなく、自分で判断する力を身につけることはとても大事ですね。

しかし、揺れ動く思春期には、ともすると楽な方に流れてしまう可能性もあります。成長のスピードがまちまちの中高生という時期に、ある程度道筋をつける学校がいいか、本人の自主性に任せる学校のほうがいいのかは、一概には決められません。お子さまのタイプやご家庭の考え方に合う学校を選択しましょう。校則は学校の考え方を知る材料の一つになります。

 

中曽根陽子先生 新刊発売のおしらせ

中曽根陽子先生の新刊『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』が2016年2月11日発売されました。
とくに、中学受験を視野に入れている方にとって役立つお話がたくさん!
全国の書店・インターネットでお買い求めください。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。試し読みもできます。

『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』
中曽根 陽子 著
出版社: 晶文社

<本の内容>
一流大学→一流企業≠成功とは思うが、それに代わる正解がわからない・・・
そんなジレンマの中で子育てをするお父さんやお母さんに向けて、どうすれば自分らしく幸せに生きる力を備えることができるのかを示した子育ての教科書です。
中学校選びの7つの視点(校風・カリキュラム・探究型学習・キャリア教育・課外活動・グローバル化・特徴ある教育)と学校の実例も紹介するほか、巻末には、開成中学高等学校校長で、東大名誉教授、ハーバード大学のベストティーチャーでもある柳沢幸雄先生との対談「グローバル時代を生き抜くために必要な力とは?」も掲載。

中曽根陽子
中曽根陽子(なかそね・ようこ)

教育ジャーナリスト
女性のネットワークを生かした企画編集会社「ワイワイネット」代表。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。「教育現場の取材、著名人インタビューなどを手がける傍ら、海外の教育視察や講演活動も行っている。母親のための学びの場「MotherQuest」を主宰。近著に『後悔しない中学受験』(晶文社) 『子どもがバケる学校を探せ!中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)などがある。
2月に『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)が発売された。


 

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