答案講評 2月の回答選と解説

中3
総合|答案講評 中3 2月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

資料1,資料2をふまえ,今から50年後の未来を予測しなさい。未来予測は具体的に1つを取り上げ,なぜそうなると予測できるのか,あなたの考えを400字以上500字以内で答えなさい。

設問で求められているのは「未来の予測」だが、考えるに当たっては「現在の社会」についても分析が必要だ。現在に対する洞察力と未来への発想力を、論理的に結びつけて説明してほしい。

答案拝見

先生

17-91018-3さんは、「免震人工地盤」によって地震の被害が劇的に軽減し、さらに地震からエネルギーまで取り出して利用する未来を描いてくれた。地震大国日本を逆手にとった格好で、これは魅力的だ。人が住むエリアは人工地盤にしちゃうわけか。以前テレビで液体ガラスというやつを見たが、それと併用すれば、建物は数百年使うもの、というのがスタンダードになるかもしれないね。
45-80646-4さんは、空飛ぶ車が実現している未来を予測してくれた。SFではおなじみの光景だが、どうだろう。いや、実現はすると思うが、みんな使うだろうか。……というのは極めて個人的な感想なので、気にしないでくれたまえ。観覧車程度でもビビッてしまう高所恐怖症なんでね。空飛ぶ車なんて、おっかないだろうなあ、と思ってしまうわけである。
98-59725-5さんは、鉄道が海をまたぐ未来を予測してくれた。いい。これはいい。前述のとおり、飛行機なんかホントにやむをえず乗っているわけであってね。揺れたときなんて、目をつぶってこぶし握りしめて脂汗流してますわ。ぜひ、まずは韓国か中国を鉄路でつないでほしい。そうすればヨーロッパまでも乗り換えなく鉄道で……と思ったけど、そうか50年後か。君たちはそれを享受できるかもしれないが、先生は多分この世にいない。
本講座の受講者の多くは、50年後、社会の中核としてこれらの課題に向き合い、その結果が出た社会を生きることになる。「未来を予測する」だけにとどまらず、その予測の責任の一端を担う世代として、自分の将来像を思い描いてほしい。

17-91018-3さん

私は、50年後に、地震による被害がとても小さくなると思う。近年、街をまるごと免震構造にする「免震人工地盤」の研究が注目されているからだ。免震構造とは、地面の上に免震装置が設置され、その上に建物がのっているというものだ。地震発生時には免震装置が地震の揺れを吸収してくれるため、建物に地震の揺れが伝わりにくくなり、地震による被害を軽減することができる。これを街全体に適用し、巨大な人工地盤をつくり、その下に免震装置を設置することで、地震に強い街づくりが実現でき、地震によって死んでしまう人や壊れてしまう建物を劇的に減らせるのだ。さらに、免震装置が地震の揺れを吸収する際に、地震のエネルギーを瞬間的に蓄え、電気等に再利用可能な技術ができれば、まさに一石二鳥ではないだろうか。また、地震に伴って起こる火災に関しても、防ぐことが必要だ。なぜなら、免震構造ができる前に地震が起きる可能性は十分にあるからである。燃え広がらない街づくりを実現させるためには、燃えにくい建材や住宅設備の開発が必要だ。それによって、たとえ出火しても燃え広がらないので、被害を最小限にすることができる。

45-80646-4さん

自動車産業と飛行機産業が結び付き、空飛ぶ車が開発されていると思う。現在、都市部は過密となっており、渋滞が多く発生している。しかし、空飛ぶ車が開発されれば、車が横だけではなく縦にも広がることができるようになり、渋滞の緩和につながる。また、飛行機産業は、自動車産業に比べて市場が狭く、市場を拡大するためには、自動車産業と結び付くことで、飛行機をどこでも使用することのできる一般的な商品にする必要があると思う。しかし、50年以内に空飛ぶ自動車を普及させることはできないと思う。なぜなら、空飛ぶ自動車が開発されても、その時点では自動車と比べて値段が高く、利便性でも劣ると思うからだ。値段を安くするには、競争を高めるために複数の企業が生産体制を整えなければならないし、利便性は改良することで徐々に高めていくものだと思うからだ。また、法整備も課題だ。このような理由から、50年後、空飛ぶ自動車は開発されているが、普及はしていないと思う。

98-59725-5さん

僕は、50年後は今よりも鉄道が発達していると思う。つまり、短い時間で遠くを行き来できる世の中になっているのではないかと予測する。日本は島国であり、海外へ行く手段は飛行機やフェリーなどに限られてしまっている。しかし、僕は鉄道で海をまたぐことができるようになると思う。例えば、現在はリニアモーターカーの開発が進み、日常的に使われるようになるのも、そこまで遠くはない。また、実際に本州四国連絡橋では、短い距離ではあるが、鉄道が海をまたいで、本州と四国地方をつないでいる。さらに、最近では北海道新幹線も開通し、青函トンネルを通って、北海道と青森県を短時間で行き来できるようになった。これらのことを考えると、海外とつながる未来も見えてくると思う。太平洋を横断するのは難しいかもしれないが、東シナ海を通って、中国地方や九州地方と韓国をつなげることはできるのではないかと考えた。また、沖縄県と台湾や中国をつなげば、人の行き来だけでなく、貿易も盛んになり、飛行機よりも流通の費用は安く済むと思う。このように、人の動きもモノの動きも活発になるのではないかと思う。