答案講評 12月の回答選と解説

中3
総合|答案講評 中3 12月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

かつて、オホーツク海の流氷は、アムール川で淡水が凍ってできた氷が流れてきたものだと考えられていた。仮に、アムール川で淡水が凍って流氷ができているとすると、オホーツク海に生息するアザラシの数は、現在と比べてどうなると予想されるか。

1つ前の設問は「オホーツク海で流氷ができると魚が増える」仕組みを説明するものだった。これを踏まえたうえで、海水が凍った場合と淡水が凍った場合のちがいについて考えてもらうのが、今回のポイントだ。

答案拝見

先生

「オホーツク海の流氷」と「水産資源」という,一見関係のなさそうなものにも因果関係がある。見慣れないテーマに苦戦しながらも添削問題を提出してくれて嬉しいぞ。
答案を見ていこう。14-67495-1さんも09-28226-2さんも,淡水が凍った流氷の場合に植物プランクトンが増えない理由を,海水と比較しながら丁寧に説明できておる。流氷内のすき間(植物プランクトンのすみか)と高塩分水の沈みこみ(海がかき混ぜられる)の2点がポイントじゃな。
後半の植物プランクトンの減少がアザラシの減少に影響する因果関係も,順を追って説明できている点がGoodじゃ。

14-67495-1さん

少なくなる。
アムール川で淡水が凍って流氷ができているとすると,高塩分水ができることはなく,流氷にすき間もできない。
すると流氷をすみかとする植物プランクトンも発生せず,高塩分水も海中に沈むことがないため植物プランクトンが育つための栄養は海面まで上がってこない。
結果として,植物プランクトン・それを食べる動物プランクトン・それを食べる魚が減り,魚をエサとするアザラシの数も減る。

09-28226-2さん

少なくなる。
もし淡水が凍ってできた流氷なら,高塩分水は流氷から抜け落ちず,植物プランクトンのすみかにならないうえ,海が上下にかき混ぜられることもないため,栄養分が海面付近まで上昇してこない。
よって植物プランクトンが増殖しないので,それを食べる動物プランクトンも増えず,さらにそれを食べる魚が増えないので,魚を食べるアザラシも増えないから。