答案講評 8月の回答選と解説

中3
総合|答案講評 中3 8月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

重曹の水溶液を加熱したときに発生した泡も,お酢を加えたときに発生した泡と同じ気体である。また,固体の重曹を加熱しても,同じ気体が発生する。このことをふまえ,固体の重曹を加熱した後にできた物質が,もとの重曹とは水に溶かしたときのアルカリ性の強さが異なる理由を推測し,加熱時に発生する気体の性質と関連づけて述べなさい。

感想欄では「難しかった」という声も多かったが,「楽しかった」「学校で習ったことが身近に感じた」などの声も届いた。今回は,長い会話文や実験結果などの資料を手がかりにして,論理的に推測する力を問うた。情報の洪水にのまれて混乱してしまった人は,結果を自分なりに表にまとめるなど,頭を整理する工夫をしてみよう。

答案拝見

先生

今回は,3つの答案を取り上げるとしよう。
29-92386-8さんは,反応式を用いて説明ができておるな!あとは,この反応式から,なぜアルカリ性の強さが異なるかを説明できればgoodじゃな。
35-80577-0さんは,発生した二酸化炭素の分だけ,加熱前の重曹のほうが酸性になると説明できておるな!細かいことじゃが,重曹というのは加熱前の炭酸水素ナトリウムのことじゃから,加熱後の固体(炭酸ナトリウム)のことは重曹と言わないほうがよいかのぉ。
14-67495-1さんは,なぜアルカリ性の強さに差が生じるかを順序立てて説明できている点がgoodじゃ。二酸化炭素は重曹に混ざっているわけではなく,加熱することで重曹が分解して二酸化炭素が発生するということが理解できておると,よりよい説明になると思うぞ!

29-92386-8さん

重曹は炭酸水素ナトリウムである。加熱した時の反応を化学反応式で表すと,
2NaHCO3→Na2CO3+CO2+H2O
となる。NaHCO3よりNa2CO3は強いアルカリ性だから,もとの重曹と加熱した重曹のアルカリ性の強さが異なる。

35-80577-0さん

加熱前の重曹には二酸化炭素が含まれていたが,加熱後の重曹には含まれていない。二酸化炭素自体,弱い酸性の気体であるため,加熱前の重曹は加熱後の重曹に比べて酸性よりになる,ということが推測される。

14-67495-1さん

もとの重曹を水にとかしたとき,加熱されていないため二酸化炭素は放出されておらず,重曹と一緒に水にとける。二酸化炭素は弱酸性であるため,重曹がとけたアルカリ性の水を少し中和させる。だからアルカリ性の弱い水溶液となる。一方で加熱した重曹からは二酸化炭素が放出されているので,水には重曹がとけ,二酸化炭素はほぼない。よって加熱前よりも強いアルカリ性の水溶液ができる。