答案講評 1月の回答選と解説

中2
総合|答案講評 中2 1月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

①の発言を踏まえ,ミライのお兄さんがA社でアルバイトした方がよいか,B社でアルバイトした方がよいか判断し,その理由を述べよ。

2つのアルバイト先のうちどちらを選ぶかの考察を通して,数値データを用いた判断の仕方を身につけてもらうための問題であった。前問で求めたB社の賃金の期待値を参考にしつつ,仕事の向き・不向きや安定性といった要素を踏まえて総合的に考え,その理由を論理的に説明できるかどうかが本問のポイントになっている。

答案拝見

先生

期待値という扱い慣れていないものに基いて判断する問題だったためか,「難しかった」という感想が目立った。「いろんな観点からバランスをとるのが難しい」という声もあったが,複数の観点から考えることができているのは非常によいことなので,この調子でこの講座に取り組んでほしい。さて,A社とB社の賃金の比較であるが,これは前問の期待値が正しく求められていれば問題ないだろう。その上で,この差をどう捉えるかがポイントで,「さほど変わらない」と考えた人と「この差が重要である」と考えた人が半々くらいであった。
09-92772-7さんは,期待値ではB社の方が高いことを述べた上で、ミライのお兄さんが販売の仕事に向いていない不確実性に言及してA社の方がよいと結論を述べている。問題文中では,ミライのお兄さんが販売の仕事に向いているかどうかの情報はほとんど与えられていないので,このような判断もありだろう。
43-56446-3さんは,実際に6割の人がA社よりも高い賃金をもらえている点に触れて、B社にすべきとしていた。6割という値を根拠に確実性はそれなりにあると判断したわけだ。
20-59190-1さんは,ミライさんの発言内容からお兄さんが学生であろうという点を類推し、アルバイトする時間を多く取れないだろうという制約事項をあげて,B社にすべきとしていた。なかなか鋭い洞察力であると感心させられた。

09-92772-7さん

私は,ミライのお兄さんはA社でアルバイトをした方がいいと思う。A社の場合,賃金は月38400円で,B社の場合,賃金の期待値は月39350円だからB社の賃金の期待値とA社の賃金を比べると,B社のほうが賃金が高いと言えるが,B社の賃金はミライのお兄さんが販売の仕事に向いているかにも関わり,さらに月によって賃金が変動するため見通しがつかない。その点,A社の賃金は決まっているため,収入が安定しているからだ。

43-56446-3さん

もしB社で月に8個以上売ればA社より1600円稼げる。B社では,月に8個以上売っている人は全体の6割いるので,よほど向いていない限りB社に入ったほうが良い。

20-59190-1さん

ミライさんの発言より,お兄さんがまだお小遣いをもらっている年齢だということが分かるので,お兄さんは学生であると考えられる。
A社でアルバイトをするには,1日4時間というまとまった時間が,週3日も必要である。たとえ土曜も日曜も1日4時間アルバイトをできたとしても,残り1日はなかなか4時間確保できない。(平日は授業があるはずだから)
だから1日何時間やるか制限はないB社でアルバイトした方がよい。