答案講評 9月の回答選と解説

中2
総合|答案講評 中2 9月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

今後、人工知能やロボットによって代替可能な仕事が増えていく中で、人工知能やロボットと人間はどのように協調して仕事をしていけばよいか、具体的な仕事(職業または分野)を1つ取り上げ、あなたの考えを300字以内で述べなさい。

人工知能やロボットと人間の仕事のすみわけ、というテーマは、世の中でも盛んに議論されている。そのような具体的なテーマに対して、将来より差し迫った問題として向き合うことになる君たちの考えを聞いてみた。人間、そして人工知能やロボットの本質は何か、ということにも目を向けながら考えをめぐらせてほしい。
※掲載の都合により、表現を一部変更させていただいた箇所があります。

答案拝見

先生

ポイントは、ただ単に人間がやるのは大変な仕事を人工知能やロボットに押し付けるのではなく、互いの長所を補い合って仕事をすることで、新しい価値を見出そう、という方向で考えることだ。高い評価を受けていた人は、概ねこの方向で考えられていた。人工知能やロボットを道具として考えるのではなく、一緒に仕事を進めるパートナーとして考えることが、これからの社会を考える上で大事だろう。
00-15330-3さんが取り上げたのは、介護の仕事。介護の分野では、人手不足だけでなく、働く人の待遇の悪さも問題になっている(待遇が悪いから人手不足に陥る、という側面もあるのだろう)。が、みんなも知るように、高齢者はこれからまだまだ増え続ける。君たちが高齢者になる頃には、日本の人口の実に4割近くを高齢者が占めるとも予想されている。持続可能な介護をどうデザインするかは、今後の、ではなく、現下の大きな課題だろう。
04-95911-6さんは、モノの開発現場における人間とAIの協調について論じていた。AIの導入に伴い、事務担当を開発担当に横滑りさせるような企業が日本にもっとあれば……とも思う。

00-15330-3さん

私は近年人手不足が叫ばれている介護分野で人工知能やロボットと人間が協調するべきだと思う。例えば、人間にはロボットなどでは出し得ないあたたかさや相手の状況を見て会話できるなどの長所がある。介護分野では人のみが持つあたたかみを活かすべきだ。一方で、人工知能やロボットには正確性や大きい力も出しやすいという長所がある。これは介護者の部屋を自動で掃除したり、パワースーツのようなものを人が身につけることによって動きやすくしたりできるなどの利点があると思う。人工知能・ロボットと人間のそれぞれ良いところを活かしていけば介護分野における人手不足も少しずつ解消されるのではないかと考える。

04-95911-6さん

私は、車などの製品を作る会社においての人間とAIの協調について考えた。人間は、面白いアイディアを出すなどの想像力がある。AIは、計算などの決まったことをやるのが得意だ。よって、私は製品開発を人間が行い、その他の事務をAIが行えばよいと考えた。製品開発では、豊かな発想力などの想像力が必要な一方で、事務ではいかに効率よく計算や集計を行うかが重要なため、人間が製品開発、AIが事務をするようにした。さらに、そうすることで、人間は製品開発に集中できるうえ、今まで事務を担当していた人も製品開発を担当できるため、より多くそしてより良いアイディアが出て、より良い製品を作ることができるという長所がある。

59-18500-4さん

医師の仕事は、AIを活用することでもっと効率的になるのではないか。例えば、病名を診断することをデータ分析が得意なAIが行うことだ。患者の症状からいくつかの病気の候補をAIがピックアップし、それに対応する検査を行う。そうすれば、検査の回数や種類が減り、病院側の負担も少なくなる。しかし、それぞれの患者が感じて訴える症状は様々であり、AIでは誤診してしまう可能性がある。人間と対話するのは人間にしかできない。医師は、患者と話して細かい症状を聞いたり、微妙なニュアンスを受けとったりすることが必要だ。AIと医師が連携することでより素早く正確に診断でき、患者の命を守ることにもつながるだろう。