答案講評 8月の回答選と解説

中2
総合|答案講評 中2 8月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

今回のテーマである「メディアの中立」ということに関して、1)実際のテレビ・新聞などの選挙報道においてあなたが問題だと感じた例を取り上げ、2)なぜそれが問題なのか、本来はどうあるべきかについて論じなさい。1)2)あわせて400字以内で書くこと。

今現在のテレビしか見ていないと、つまり若いみんなにとっては、これはなかなか難しいかもしれない。なぜなら、テレビの選挙報道は、かなり横並びになってしまっているから。横並びの中では、問題はなかなか浮かび上がってこないから。かろうじて新聞は、独自のカラーがあったりする。次に大きな選挙があったときは、ぜひ複数紙を読み比べてみてほしい。
※掲載の都合により、表現を一部変更させていただいた箇所があります。

答案拝見

先生

最近のテレビは、選挙前にはむしろ政党や立候補者に関する報道を避けているんじゃないかとさえ思える。それが国政選挙であっても、だ。一体何に(誰に)忖度しているんだろう。そして投票日の午後8時になると、各局横並びで選挙特番報道スペシャルとやらを始め、政党や立候補者について「え?」みたいな情報をもたらしてくれる。おいおい、それ投票日前にやってくれよ……と思わなくもない。国政選挙ですらそうなのだから、地方選挙に至っては、判断材料が極めて乏しいと言わざるを得ない。ローカル番組は午後7時には終わっちゃうし。このあたり、何とかならないものかと思う。

09-66789-0さん

以前、あるテレビ番組で短時間で選挙報道をしていたのを見たことがある。ほんの一分程度の報道の中で、世間で名が知られている政党やその候補者の主張ばかりを流していた。他にも様々な政党・候補者がいるのにもかかわらず、ある特定の政党・候補者だけを報道するのは不公平ではないだろうか。選挙報道は国民の重要な判断材料になり得るのだから、すべての政党・候補者の主張を紹介すべきだったと思う。まだあまり名の知られていない政党や候補者であっても、それぞれどのような社会を作っていくのか主張があり、それを実現するために選挙に出ている。このような一人一人の声をしっかり届けなければ、政党や候補者に差が生まれてしまう。これでは国民が公平な判断をすることができない。メディアはもっと選挙報道が国民にとって重要な判断材料になることを自覚し、すべての政党や候補者の主張を報道するべきであると考えた。

09-56178-1さん

2023年4月に行われた湯河原町長選挙では、40歳の土屋由希子さんと65歳の冨田幸宏さんが立候補した。2人とも同じような公約を掲げている中、テレビ神奈川の報道番組では、土屋さんに関しては子育て中のママが町長選挙に立候補したというもの珍しさとして取り上げられていた。一方の冨田さんは現役町長としての実績や高齢者と語らう姿が強く印象に残る映像だった。私は女性、子育て世代が立候補することに「珍しい」という偏見があってはならないと思う。土屋さんに関しても選挙公約の内容に焦点を当てて報道すべきだ。湯河原町の人口構成は釣り鐘型で高齢者が多い。日中ずっと家にいてテレビを見ているのは高齢者だ。したがって、政治報道番組は日中だけの放送に限らず、働く世代が自宅にいてテレビを見る夜間や早朝にも放送すべきだ。そうすることで有権者すべてが選挙に関わる情報を入手できるようにする必要があるだろう。

67-55991-6さん

私はメディアの中立に関して、テレビのゲストの発言に問題があると思う。ゲストの人が意見を求められた時に、どの人も当たり障りのない言葉を選んでいてその人の意見はどうなのか分からないからだ。意見を発言して印象の良し悪しが変わったとしても、それは有権者の一人であるゲストが発信しただけであるから問題ないと思う。本来は、有権者の立場としてどんどん意見や情報を、テレビを見ている有権者へ伝えないといけない。そして見ている人は自らが疑問をもち、テレビだけでなく自分でも調べて、より政治と自分が密接に関係していると自覚できる。メディアは伝えることが仕事だから、そこにメディア側の意思などは入れてはならないが、民主主義とは権力やお金がある人ではなく、世の中にいるすべての国民の力でみんなが住みやすい国をつくらなければならない。そのために誰しもが興味をもてるようなメディアでなければならないと思う。