答案講評 12月の回答選と解説

中1
総合|答案講評 中1 12月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

大問1の資料をふまえ、スポーツに統計データ(ビッグデータ)を活用することについて、具体的なスポーツ競技を取り上げつつ、スポーツをする立場や観る立場から、あなたの考えを300字以内で述べなさい。

「ビッグデータ」は近年さまざまな場面で話題になっているが、「スポーツ」に導入され始めたのはつい最近のことである。こういった新しい技術や視点が入ることで、これまでのあり方がどのように変化しうるのか、それはよいことなのか、さまざまに思考を広げてもらうことが、今回の出題で意図したことである。

答案拝見

先生

今回は「スポーツに対するビッグデータ活用の賛否」を問うような出題であった。確認した限りでは「賛成」の立場のものがやや多かったが、否定的な見方や「活用の仕方による」といった中立的な立場をとる答案も見られた。特に否定的な意見は、フィギュアスケートのように芸術性も見る者にとっての魅力となるスポーツの事例に考えた人が多く、イメージするスポーツによって立場に差が出たと言えだろう。
全体として気になったのが、「勝利至上主義」が「悪者」のように扱われていることだ。スポーツをする人にとっても見る人にとっても、「勝つ」ということはスポーツの持つ魅力の一つだと思うし、その魅力を手に入れるために努力することの一つとしてデータ活用があるはずだ。この点とのバランスも踏まえつつ考えてみると、今回の出題が非常に深いものになるということに気づくだろう。

59-03797-8さん

スポーツに統計データを活用することについて、私は面白いと思う。例えばバスケットボールでは、ボールを操る技量すなわち才能であったり、体格であったりが重要なポイントとなってくる。その中に統計データを用いた作戦という要素を加えると、新たなかけ引きが生まれてより複雑なものになるからだ。相手のチームの弱点をあぶり出してそれをどう有効活用するか考えたり、逆にその裏をかくことでよりそのスポーツが立体的になり、試合の展開もなかなか先がよめなくなってくる。そういった意味で、統計データは、スポーツがより面白くなっていくための成長材料でもあると私は思う。

20-82899-4さん

私は、統計データを活用することはとても良いことだと思う。例えば野球だと、投手が投げたボールの種類やどこにいったかなどのデータがある。これがテレビ中継で表示されると、観る立場は次を予想して楽しむことができる。また、相手チームは次に戦う時の参考資料となり、対策ができるようになる。一方の研究される側も、次また同じように投げると相手に読まれてしまうため、新しい投げ方を考えたり、習得したりするようになる。そしてその試合を観る立場からは、前とは違った試合を観られるため、興味を持つことができる。このような良いサイクルができるのであれば、統計データはどんどん活用してほしい。

07-33997-6さん

事前に戦うチームの情報を調べ、それにぴったりの攻撃と守備のメンバーを選ぶなど、スポーツ界ではビッグデータの活用がとても進んできているように感じる。実際、サッカーW杯の準決勝で、フランスが対戦相手のモロッコについて、「すべて調べた」と述べていたときには、ビッグデータのすごさや速度にとても驚いた。相手を調べ、的確なディフェンス、オフェンスを行えれば、負けそうな相手だとしても勝機はある。無駄な力を使わないという面では、ビッグデータは有能であると言えるだろう。しかし、それは、現場での臨機応変に対応する力を退化させてしまっているかもしれない。ビッグデータにもメリットデメリットがありそうだ。