答案講評 11月の回答選と解説

中1
総合|答案講評 中1 11月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

現代の日本で,「個性」はどのように扱われるべきか? 「個性」のあり方をあなたなりに定義したうえで,あなた自身の考えを300字以内で述べなさい。

個性を尊重すべし、と言われるときの「個性」とは一体何を指しているのか。またその「個性」は、いついかなる場合でも尊重されなければならないのか。個性を尊重すべし、というのは、現在、あたかも疑問を差し挟めないかのように扱われている理念の一つだが、それに対して、異議申し立てが可能かどうかを考えてもらうのが今回の出題の狙いであった。

答案拝見

先生

多くの答案に共通していたのは、「個性」を考えるにあたって「他者」の存在を前提としていることである。言われてみればそのとおりで、もしこの世に自分一人であれば、「個性」など問題にならない。ということは「個性」とは……と考えてみても、おもしろそうだね。ところで、答案感想欄に「『個性』『個性』というから、逆に人々は自分には『個性』がないと思ってしまい、伸ばそうと思ってしまうのかもしれない」と書いていた人がいた。そう考えると、「世界に一つだけの花」というのも、罪作りな歌だったのかもしれない。

35-60995-4さん

私は今後「個性」を何も気にしない生き方、扱いをされるべきだと思う。今の日本は江崎玲於奈氏が言った通り、人の個性を認めて尊重していくような方針が主になっている。現に私の学校でも手帳に「他人の個性を認めあい共に尊重していきなさい」という記述がある。しかし、本当に認めあえているのだろうか。個性というものは自分が人生を経験して何らかの形で振り返った時にふと思うような、自分でしかわからない感覚の世界だ。ゆえに、自分でも難しい個性の発見を他人が行うのは困難極まりない。あなたが見つけた「個性」は相手にとっての「個性」ではないかもしれない。それなのに認め尊重する扱いは、変化させていく必要がある。

43-80057-4さん

私は「個性」を「公共の福祉を守りながら生み出されるその人なりの考えや生き方」だと思う。だから、現代の日本の学校教育に少し不満がある。日本の小学校は、個性が発揮・発育される機会があまりにも少なすぎる。部活動や委員会にせよ、「1週間に2回」というように限られている。アメリカの場合、ほとんどの内容が生徒自身によって決められていると新聞で読んだことがある。中学校になると教師の指導が少なくなり生徒自身が個性を生かし、内容決定にまで至る場合が少なからずあるが、小学校のうちから個性を尊重し合い、創造性を大切にする授業を増やしていくべきだと思う。

94-47556-2さん

私は、「個性とは、その人のイイ所だ」と思います。そして、日本では、個性、つまりイイ所を伸ばすのではなく、イイ所に気付かせるような教育を行うべきだと思います。例えば、面談で先生が生徒のイイ所をものすごくほめるなどです。そうすれば、生徒は自分が知らなかった自分のイイ所に気付くことができ、自分に自信をもつことができます。どちらかというと、今の教育は、オンリーワンを求めているような気がします。しかしこれでは、「私には別に人と違ったイイ所もない」などのマイナスな感情をもってしまう生徒もでてきてしまいます。だからこそ、人と同じでもいいから、自分のイイ所をみつけていこうという教育を行うべきです。