答案講評 8月の回答選と解説

中1
総合|答案講評 中1 8月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

私たちは学校生活や社会生活において、ルールを決めたり、評価づけをしたりしている。今までルールや評価(順位)を決める際の、決める人の範囲や決め方がおかしかったと思うものについて、それがどのようなものであったのかがわかるよう具体的に説明したうえで、どう改善すればよいか、400字以内で提案しなさい。

題材が何も思い浮かばなかったという人は、きわめて恵まれた環境にいる。何かを決めたり決められたりする際に、「おかしい」と思ったことなどなかったということだから。が、ほとんどの人にとってそんなことはあるまい。記憶をたどってみよう、何か「おかしい」と思ったことがあるはずだ。その「おかしさ」がどこに由来するのかを掘り下げ、その「おかしさ」を解消できるような改善案を提示できたかどうかが、今回の答案の評価を左右する。
※掲載の都合により、表現を一部変更させていただいた箇所があります。

答案拝見

先生

いやあ、今回の答案はみんな気合が入っていた。たとえば政治の世界といった遠い話ではなく、みんなにとって「自分事」だったからだろう。そして小学生時代や今現在、みんなもある意味、政治の世界の縮小版を生きているんだと実感させられた。テーマとして圧倒的に多かったのは、クラス委員や生徒会役員の決め方。クラス委員レベルでは、じゃんけん、というところもあったりするんだねえ。多くの人はこれに対して「運で決まるのはおかしい」という立場であったが、しかし多数決で決めるのもおかしい、というケースを紹介してくれた答案もあった。ピアノ伴奏者の場合は、じゃんけんでも多数決でもおかしい、というケースか。そのほか、校則での長髪禁止やコンビニ寄り道規制について、成績の相対評価について、給食のお代わりの早い者勝ちについて、コロナ下での学校の在り方についてなど、様々なテーマについてみんな憤っていた。みんなが次世代の民主主義の担い手になってくれるかと思うと、先生も心強い。

58-01030-8さん

僕がおかしいなと思ったのは、委員会の役割決めのときです。まずは、立候補をするのですが、かぶった場合はじゃんけんで決めます。僕は「なんでじゃんけんで決めるの」と疑問に思いました。なぜなら、じゃんけんは、100パーセント「運」で決まってしまうからです。そもそも委員会はクラスを代表して、その委員会に入っているわけだから、運で決めてはいけません。しっかりとクラスのみんなの意見を聞いて、この人がふさわしいとクラスのみんなで決める必要があります。そこで僕は、一人一言簡単に意気込みを話して、その後、みんなで多数決で決めるべきだと思います。意気込みを話すことで、「A君とは仲良くないからB君に入れよう」という余計な考えを捨てて、「なるほどA君は○○な考えをしているんだ」ということを知ることができ、よりふさわしい人を選ぶことができます。多数決をすることで、クラスみんなの意見が反映されると思います。

49-15648-1さん

僕が通っている中学校では、年に2回、クラスの総務委員を決める選挙がある。そして中学校1年生の4月、まだ入学してすぐで、同じ小学校から来た人のことくらいしか知らない状態で選挙が行われた。自分の中学校は基本的に2校の小学校から来た人が集まるのだが、かなり人数に片寄りがある。その状況で多数決を行ったため、「その人の事をよく知っている」という観点で見ると、人数が多い小学校出身の候補の方が有利ではないか、と思った。それを改善するために、まずは「全校一律の決め方をする」のではなく、中学1年生の最初のみは、「ジャンケンで決める」「候補者で話し合って決める」など、出身の小学校で有利不利が出ないようにする決め方を実行すべきだと、僕は提案する。

02-17918-1さん

文化祭の合唱のピアノ伴奏者を決める際に、希望者を募り、話し合って、それで決まらなければジャンケンで決めるという方法について、私はおかしいと思う。なぜなら、やる気と雄弁さしか持っておらず、ピアノの技術を持っていない人に決まったり、ピアノがとても上手でも、ジャンケン運や口論の技術がなく、伴奏者になれない人が出たりしそうだからだ。なので、私はピアノが上手であればだれでも伴奏者になれる可能性を出せるように、希望者全員で、何かしら課題曲を決めてオーディションを行い、それをふまえて先生方で話し合って決めてもらうという方法を提案する。