答案講評 10月の回答選と解説

中3
総合|答案講評 中3 10月

今回の課題

今回の答案講評では、以下の課題について取り上げます。

(3)「アイスクリームの売り上げと水難事故の発生件数について相関を調べたら,またまた強い正の相関関係があった。ということは,水難事故を減らすにはアイスクリームの販売を自粛すればよいのかな?」
この意見は正しくない。しかし,アイスクリームの売り上げと水難事故の発生件数の間には正の相関関係が存在する。これはどういうことか理由を書きなさい。

今回は、大問1の(3)を取り上げます。今回の課題は、2つの変量の間に相関関係があるときに,どんな主張ができるのかを考えることで,相関関係とはどのようなものなのかを整理して,表現してもらうのが狙いでした。
※掲載の都合により、表現を一部省略・変更させていただいた箇所があります。

答案拝見

先生

今回もたくさんの解答を見せてもらいました。まず,グラフやQCRなどのツールを使って数理的に分析するという今回のテーマについて「難しかった」と感じた人が多いようでした。その一方で,「身の回りの出来事を比較したりして,世界をいろんな視点でみたい」(90-39031-7さん)と,今回学んだことを積極的に活用してみようと前向きに捉えてくれた人もいて,頼もしかったです。
さて,大問1の(3)では「アイスクリームの売り上げと水難事故の発生件数に直接の関係がない」ことを,関係しそうなほかの要因を予測しながら説明するのがポイントでした。98-51704-9さんのように,関係しそうな要因を「最高気温を介して」とはっきり示すのがわかりやすいですね。90-39694-3さん,32-54187-9さんの答案には要因が「〜を介して」という表現で書いてあるわけではありませんが,「気温」が要因であることが読み取れる答案になっていると思います。

90-39694-3さん

アイスクリームの売り上げがのびるのも水難事故の発生件数が増えるのも最高気温との正の相関関係があるだけで,アイスクリームの売り上げと水難事故の発生件数の間には正の相関関係が存在するが,実際には影響を及ぼし合わない。

98-51704-9さん

アイスクリームの売り上げと最高気温,水難事故の発生件数と最高気温のそれぞれに強い正の相関関係がある。つまり,アイスクリームの売り上げも水難事故の発生件数も最高気温と関係していると分かる。よって,最高気温を介して,アイスクリームの売り上げと水難事故は強い正の相関関係が存在することになる。

32-54187-9さん

アイスクリームの売り上げと水難事故の発生はあくまで気温が高いときの結果であり,アイスクリームの販売を自粛しても気温が低くなるわけではないから。