答案講評 2月の回答選と解説

中1
中1 意見を主張する2

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

新聞に投書するつもりで、身近な問題を一つ取り上げ、二六〇字以内で意見文を書きなさい。ただし、作文全体を二段落に分け、具体例(自分の体験や、見たこと・聞いたことなど)をふまえて書くこと。

答案拝見

先生

今回の課題では、書く前に考えるべきことがいくつかありました。たとえば、「取り上げる話題は大勢の人に意見を聞いてもらいたいものか」「取り上げる具体例は自分が読み手に向けてくわしく説明できる内容か」「具体例の内容と考察の内容がかみ合っているか」などです。これらは、説得力のある作文にする上で重要なカギとなるものです。それでは、みなさんがどのような問題を取り上げたのか、いくつか答案を見てみましょう。また、「今回の優秀作品」として、Y.K.さんの答案を紹介します。

H.I.さん
犬の散歩のさせ方

自分や祖父母が犬の散歩をしていると、リードをつけずに散歩をさせたり、排泄物がそのままにされているのをよく見る。注意書きのはり紙は増えているが、そういった行動はまだ完全にはなくなっていない。この体験から、注意を呼びかけるだけでなく、一人一人が責任を持って行動することが必要だと思う。散歩をしている道は自分だけのものではないという意識がもっとあれば、そういったこともなくなっていくと思う。

K.K.さん
火災のこと

私は今、火災について気になっている。火災が多くなる冬、私の市内では昨年よりも火災が多く発生していると放送された。……意識するだけでは、火災は防げない。そこで一家に一枚、「火事防止シート」を作るべきだ。日常生活で火災に関する見落としがちなことを記入し、毎日チェックする。実際に行ってみて、火事対策ができていると実感できた。

I.I.さん
歩くときのマナーについて

学校の廊下や階段を通ったときに、何人かが道に広がっていて通れなかったことがあった。そして、話していて周りの人が困っていることに気づいていなかった。この体験から、自分達のことばかり考えるのではなく、もっと周りを見て行動するべきだと思った。

今回の優秀作品

回答

★ Y.K.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

Y.K.さんは「(図書館などで読まれる)多くの本が破損している」という事を授業で習い、気になったのですね。第一段落では「破れたり(背表紙が)はずれたりしている本が一番多い」という状況を、「長年使うと傷むし、破れるのは読まれている証拠でもあるが、大切に扱う事を心がけて読んで欲しい」という町の図書館の職員の思いとともに読み手にしっかりと伝えることができています。
第二段落では、本は「多くの人が読めばいつかは壊れる」としながらも、「だからこそ、大切にして欲しい」と訴え、「私も、他の人の事も考えながら本を読もうと思う」というY.K.さんの考えを述べています。気になった事について、しっかりと取材をして事実を確かめ、それに対して意見を述べているため、説得力がありました。第一段落で挙げた問題と、第二段落で示した考えがしっかり結びついている点もよかったですよ。

◇◆◇

※今回の講評はここまで。そして中学作文コースも今回が最後の課題でした。これまでいろいろな課題に取り組んでもらいましたが、正解が定まらない作文を書き上げることはなかなか大変だったと思います。それだけに、みなさんの〈考える力〉と〈書く力〉は十分鍛えられたはず。今後、みなさんがこの力をさらに伸ばしていくことを期待しています。