答案講評 11月の回答選と解説

中3
中3 環境について書く

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

「ごみを減らすために私ができること」という題で、二八〇字以内で作文を書きなさい。二段落で構成すること。

答案拝見

先生

この課題では、日々の生活を振り返り、あなた自身がごみを減らすために何ができるかを考えることが大切です。ごみの問題は、自治体や国といったレベルでの対策が欠かせない社会問題ですが、今回の課題では、ごみの問題を他人事として片づけず、自分自身の生活にひきつけて「私ができること」として考えられたかどうかが作文の出来を左右します。その意味では、身近な生活の中から改善できるポイントを発見している作文が多く見られて嬉しく思いました。ぜひ作文に書いたことを実践していってくださいね。
それでは、みなさんが書いてくれたごみを減らすためにできることと、「今回の優秀作品」として特によく書けていたK.K.さんの作文を紹介します。

Y.H.さん
使い捨てではなく、何度も使えるものを選ぶことが重要

私たちは日々の生活の中で、紙でメモや筆算を行うことが多いと思う。しかし、その紙は使い終わったらすぐに捨ててしまうので、ごみが増える原因になっていると考える。そこで、紙の代わりに、スマホのメモアプリや簡単に消して使えるホワイトボードを利用すれば、ごみを減らすことができるはずだ。紙は何枚も必要だが、スマホやホワイトボードならたった一つで十分である。このように、ごみを減らすためには、使い捨てではなく、何度も使えるものを選ぶことが重要だ。

A.K.さん
普段から一つ一つの物を大事にすることが大切

着なくなった服をつい、すぐに捨ててしまうことがある。しかし、その時にリメイクしてまた着られないか、フリーマーケットなどでほかの人に着てもらうことはできないか、考えてみたらいいと思う。……欲しい物をすぐに手に入れ、すぐに手放せる環境に甘えるのではなく、一つ一つの物を大事にし、生まれ変わらせることはできないか、普段から心がけてみることが大切だと思う。

T.O.さん
使わなくなった今あるものを再利用することが大切

身の周りを片づけていると、使わなくなったものがたくさん出てくる。しかし、この時に、使わないからといってすぐに捨ててしまうとごみが増える原因となる。そこで、再利用することが必要である。例えば、空ビンを食料保存容器として使ったり、着なくなった服をリサイクルに出したりすることでごみを減らすことができる。

今回の優秀作品

回答

★ K.K.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

ひと口に「ごみ」と言っても、いろいろな物がありますね。その中でK.K.さんは、〈外出した時に買うペットボトル〉に注目しています。ペットボトルの飲料を買わずに済むよう、水筒(マイボトル)を持参すればよいという意見は他にもありましたが、この作文の秀逸なところは、水筒を持って行けば、「ペットボトルの水を買う必要がなくなり、プラスチックごみを出さずにすむ。つまり、プラスチックを造るための資源を節約することに繋がる」と、ペットボトルの原料(ごみの発生源)にまで考えをめぐらせているところです。
だからこそ、「ごみの発生源が何であるかを考え、ごみを出さないための取り組みをすることが大切だ」という第二段落の考えが生きてきます。ごみ問題を考えるうえで、購入したい商品が本当に必要なものなのかどうかを自問自答するだけでなく、〈商品を買わず、ごみを出さないことによる資源の節約〉まで考えることで、「ごみを出さないための取り組み」への姿勢も変わってきそうです。
第一段落で挙げた「ペットボトル」という具体例を生かしながら、第二段落で、ごみを減らすための取り組みについて深めた考えを述べるという全体の構成もすばらしいですね。

◇◆◇

今回の講評はここまで。次回も、みなさんの答案を楽しみに待っています!

※毎月、Z会に届いた答案の中から「キラリと光る作品」を選んで「講評」に掲載します。早めに提出し、「講評」掲載をめざしましょう!

※「講評」は毎月中ごろに公開します。お楽しみに!