答案講評 3月の回答選と解説

中3
中3 体験をもとに書く

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

「失敗から学んだこと」という題で、二〇〇字以内で作文を書きなさい。ただし、作文全体を二段落に分けて書くこと。

答案拝見

先生

寄せられた答案にはいろいろな「失敗」がありました。失言、うっかりミス、誤解、準備不足……。こうした「失敗」から学ぶことで、つらい体験も財産になりますね。この課題では、単に自分の失敗を紹介するだけでなく、そこから「どのようなことを学んだか」「どのようなことに気づいたか」、また、失敗を通じて「自分がどのように変わったか」を説明することが大切です。体験を振り返って、学んだことを丁寧に説明してみましょう。
みなさんの書いてくれた「失敗から学んだこと」と、「今回の優秀作品」として、特によく書けていたA.T.さんの作文を紹介します。

Y.S.さん
得意なことでも油断せずにしっかり準備をすること

私の失敗は、数学の定期テストで得意教科だからと油断して勉強をしなかったことだ。その結果、多くのミスをしてしまい、普段なら解けるはずの問題でも間違えてしまった。

Y.H.さん
常に客観的な視点をもち、冷静に行動すべき

友だちとテーマパークに行ったとき、私はあるアトラクションの整理券を代表してとることになった。しかし、早く乗りたいとあせって独断で操作したことで誤り、そのアトラクションに乗れなくなってしまった。……興奮していることを自覚して、冷静に行動すれば良かったと反省している。

T.D.さん
失敗した時に人としっかり話すこと

私の失敗は、サッカーの試合の時、ビブスを忘れてしまった。そしてそれをコーチに言わなかった。後からコーチに言わなかったことも含めたくさん怒られてしまった。……忘れ物や、ミスをしてしまった時に、怖くても伝えようと思った。将来、失敗した時に人としっかりと話すことが大切だ。

今回の優秀作品

回答

★ A.T.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

第一段落で「失敗のエピソードと、失敗が与えた影響」、第二段落ではエピソードの分析と反省点、「失敗から学んだこと」が説明され、全体がバランスよくまとまっています。A.T.さんは「『タンクに乗りたい』という欲」に負けて「軽はずみな行動」をとった結果、お店の人にとって大切な道具を壊し、迷惑をかけてしまったのですね。「もし私がタンクに乗った後のことを想像していたのならば…」と、自分の失敗の反省点を掘り下げたからこそ、「物事の後先を考え、欲に負けずに行動することが重要なのだ」という、今後もさまざまな場面で役立てることができそうな、普遍的な気づきを得られたのでしょう。
今後この中3作文で取り組んでいく課題では、自分にとって書きやすいもの、書きにくいものなどいろいろなテーマがあると思います。どのような課題でも、まずは設問をよく読んで、何が問われているのか、自分の中から何を引き出すべきなのかを落ち着いて考えましょう。身近な経験を、設問で求められていることに合わせて掘り下げていく習慣をつけると、ぐっと作文が書きやすくなりますよ。

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今回の講評はここまで。次回も、みなさんの答案を楽しみに待っています!

※毎月、Z会に届いた答案の中から「キラリと光る作品」を選んで「講評」に掲載します。早めに提出し、「講評」掲載をめざしましょう!

※「講評」は毎月中ごろに公開します。お楽しみに!