答案講評 1月の回答選と解説

中2
中2 文章を読んで書く2

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

課題文(加藤秀俊「情報時代の自己教育」)を読んで考えたことを三〇〇字以内で書きなさい。ただし、作文全体を二段落に分け、具体例(自分の体験や、見たこと・聞いたことなど)をふまえて書くこと。

答案拝見

先生

ほとんどの答案が、作文の材料として「友達との会話」「授業中のできごと」「部活動でのできごと」などを扱っていました。「具体例が見つからない」といつも悩んでしまう人は、まずは身近なところに目を向けてみるといいですね。また、課題文の主張の繰り返しに終わらせないためには、課題文に出てくる「好奇心」や「恥ずかしさ」といったキー・ワードに着目して自分の体験を振り返ってみることが大切です。さらに、そこから「自分なりの発見」をするつもりで第二段落を書くと独自性の高い答案になりますよ。では、いくつか答案を見てみましょう。また、「今回の優秀作品」として、特によく書けていたR.M.さんの作文を紹介します。

M.Y.さん
「知らない」ことに対する恥を捨てることが大切

社会の授業の最後には、質問タイムが設けられている。……しかし、クラスメイトに様子を見られているという恥ずかしさから、私は一度も質問をしたことがない。……「知らない」ことに対する恥を捨て、「知りたい」という好奇心を持つことが、学びを深めるきっかけになると気づいた。

M.K.さん
何かを知るにはたくさんのものに触れることが大切

ある日、友達に韓国のアイドルの音楽をすすめられたので、仕方なく聞いてみることにした。すると、私は日本にはない雰囲気や世界観に圧倒され、いつしかよく聞くようになった。韓国の音楽についてよく調べるようになり、韓国のアイドルの音楽を聞くことが私の新たな趣味となった。

S.K.さん
自分の知らないことに積極的に向き合うことが大切

以前、私は友達に誘われ、ダンス部の仮入部に行った。私はダンスは未経験でわからないことがたくさんあった。だから、恥ずかしかったが先輩にやり方がわからないところをたくさん聞いた。すると、だんだん楽しくなっていき、家でもステップのやり方を調べてみたりしていくうちにダンスがとても好きになった。

今回の優秀作品

回答

★ R.M.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

R.M.さんは、作文の材料として手話を習得した体験を挙げ、新たな友人ができたり、手話の知識を発信したりしたことなどをくわしく説明しました。また、そうした成功体験の紹介に留まらず、時間がなくなって「手話どころかその友人と話すこともほぼない」という今の状況についても書いています。その上で、「好奇心を持ち続けるには何が大切なのか」へと考察を進めました。
「好奇心を忘れず、みずからをゆたかにしていくべきだ」という筆者の主張に対して、R.M.さんは「では具体的にどうしたらそれができるのか」まで考え、自分なりの答えを見つけています。具体例の説明の仕方や考察の深め方がとてもすばらしく、大変すぐれた答案でした。

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今回の講評はここまで。次回も、みなさんの答案を楽しみに待っています!