数人で遊んでいたときにみんなはかくれんぼがしたかったのだが、一人の子がかくれんぼが嫌だと言っていて、その日はずっとその子のやりたいことだけをやっていた記憶がある。そのときに私はとても嫌な思いをし、自分は相手にこのような気持ちにさせないようにしようと思った。……この体験がなかったら私は今でもわがままを言っていた可能性を捨てきれない。
答案講評 12月の回答選と解説
今回の課題
今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。
課題文を読み、「遊びから学ぶこと」という題で二八〇字以内で作文を書きなさい。ただし、作文全体を二段落に分け、具体例(自分の体験や、見たこと・聞いたことなど)をふまえて書くこと。
答案拝見

A.I.さん
Y.S.さん
相手が嫌な気持ちになるようなことはしてはいけないということ
私が小学生のとき、友達を誘うために、大声で友達を呼んだことがある。……しかし、その後に、友達のお兄さんが、近所迷惑だと私を怒った。……その出来事以来、私は、私以外の他人の気持ちも考えて行動するようにしている。
H.T.さん
相手の気持ちを考えて行動すること
小学一年生のとき、昼休みにクラスの皆でドッチボールをやった。そのとき、私は全然ボールに触れていなかった。しかし、ある一人の男の子からボールをもらった。その子は自らボールを取りに行き、皆にボールを回していたのだ。……私はその子のおかげで、遊びだけでなく日常の中でも相手の気持ちを考えて、行動していこうと思えるようになった。
今回の優秀作品


H.G.さんの答案では、何よりも具体例の説明がわかりやすかったです。友達とドッジボールをしたときのことが書かれているのですが、「強い方のチームが圧倒的な差をつけて勝った」という勝負の結果だけでなく、「勝った方も負けた方も楽しむことができなかった」と説明したことで、一人の人の身勝手な行いがどれだけ皆に迷惑を掛けたかがよくわかりました。また、H.G.さんは、そうした第一段落の具体例をふまえて、第二段落では、「このことから、自分のことだけでなく相手のことも考えて行動することが大切だということがわかった」として、遊びから何を学んだのかを明確に示しました。さらに、これからどうしたいかにも触れており、作文のお手本のような内容にまとめることができました。
表現も簡潔で、言いたいことがしっかりと伝わる大変優れた答案でした。
今回の講評はここまで。次回も、みなさんの答案を楽しみに待っています!
※毎月、Z会に届いた答案の中から「キラリと光る作品」を選んで「講評」に掲載します。早めに提出し、「講評」掲載をめざしましょう!
※「講評」は毎月中ごろに公開します。お楽しみに!
今月の課題で気をつけたいのは、具体例の内容です。「遊びから学んだこと」なら何でも良いのかというと実はそうではありません。設問に「課題文を読み」とあるので、筆者が主張している「こども同士の遊び」から具体例を探す必要があります。確かに、一人で遊んだ経験や大人の人達と遊んだ経験などからも得るものはたくさんあるはずですが、課題としての作文を書く場合には設問の意図に合わせて書く事が大切です。また、第一段落で書いた具体例と第二段落の考察が合っているかも、重要なポイントです。さらに、「作文全体を二段落に分ける」という「条件」にも注意しましょう。それでは、みなさんの答案をいくつか見てみましょう。また、「今回の優秀作品」として、特によく書けていたH.G.さんの作文を紹介します。