答案講評 2月の回答選と解説

中1
中1 意見を主張する2

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

新聞に投書するつもりで、身近な問題を一つ取り上げ、二六〇字以内で意見文を書きなさい。ただし、作文全体を二段落に分け、具体例(自分の体験や、見たこと・聞いたことなど)をふまえて書くこと。

答案拝見

先生

今回の課題では、書く前に考えるべきことがいくつかありました。たとえば、「取り上げる話題は大勢の人に意見を聞いてもらいたいものか」「取り上げる具体例は自分が読み手に向けてくわしく説明できる内容か」「具体例の内容と考察の内容がかみ合っているか」などです。これらは、説得力のある作文にする上で重要なカギとなるものです。それでは、みなさんがどのような問題を取り上げたのか、いくつか答案を見てみましょう。また、「今回の優秀作品」として、N.A.さんの答案を紹介します。

E.K.さん
身近な物と動物の関係について

私は海外の授業で学んだ身近な物と動物の関係について気になっている。たくさんのお菓子に含まれているヤシ油は、チンパンジーの数の減少におおいに関係している。原因は、チンパンジーが住むインドネシアの森で、木を伐採してヤシ油の原料となるヤシの木に植えかえていることだ。森の環境が変わることでチンパンジーは年々減少し、このままではあと数年で絶滅してしまうと言われている。……より多くの人にこの現実を知ってもらうため学校で授業をするなど、工夫すべきだと思う。

K.H.さん
自転車の交通マナーのこと

中学校の正門前の道を通る自転車のことが気になっている。その道には速度を落とさない自転車がよく通っており、ぶつかりそうになっている人を見かけたことがある。中学校のとなりには小学校があり、通学のために多くの小中学生が使っている。このまま何もしなければ、いずれ大きな事故につながってしまうだろう。それを防ぐためには、自転車を使っている一人一人が、速度を落としたり、降りて道を通ったりすることを意識しなければならないと思う。

N.M.さん
ごみの捨て方のこと

学校の通学路にごみ捨て場があるのだが、その周りに頻繁にカラスが集まっていて「食い散らかされないか。」と心配になっている。そして、ごみの回収日には、毎回と言っていいほど回収してくれる人が手で拾っている姿を見かける。……一人一人がごみ袋を最後までくくり、ごみネットをかけることで回収してくれている人も回収しやすいだろう。

今回の優秀作品

回答

★ N.A.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

N.A.さんは「他人の顔写真をネットや他人に送っている人がいる」という事が気になっているのですね。「学校でSNSに無許可でクラスの女子の写真をあげ、それを保存したり他クラスに送っている」と、出来事を具体的に説明し、「送った側は軽い気持ちでやったのだろうが、相手の女子や送られてきた側は嫌な気持ちだ」と、当事者たちの気持ちを推測して記述することで、多くの人にとって身近な問題だと思われるSNSのマナーについて、読み手にしっかりと状況を伝えることができています。
第二段落では、今後、自分がSNSとどのように関わっていくかを示すことができました。「他人のプライバシーに関わるような物をネット上にアップロードしたり、他の人に送るのは、絶対にしてはいけない」「軽い考えで傷つく人がいるという事を周りの人達に伝えていきたい」という記述からは、SNSによって起きる問題を自分事としてとらえているN.A.さんの姿勢をうかがうことができ、説得力がありました。第一段落で挙げた問題と、第二段落で示した考えがしっかり結びついている点もよかったですよ。

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※今回の講評はここまで。そして、中1のカリキュラムも今回が最後です。今までよくがんばりましたね。中2になっても、引き続き、作文コースの学習に取り組んでいきましょう。