答案講評 9月の回答選と解説

中3
中3 イラストを見て書く

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

イラストに描かれている内容と「さあ、自然と親しくなりましょう!」というキャプションとを踏まえながら、あなたが感じたことや考えたことを二〇〇字以内で書きなさい。ただし、作文全体を二段落に分けて書くこと。

答案拝見

先生

今回は「自然と人間」をテーマにしたイラストでしたね。「親しくなりましょう!」というキャプションと、イラストに描かれた人間の行為の間にある矛盾について、みなさんよくとらえることができていました。感想欄では、自然についてのみなさん自身の考え、聞こえのよい言葉に対する警戒心、イラストから作文を書く難しさや達成感など、さまざまな声が挙がっていました。課題をひとつこなすたびに、みなさんの考えが一歩深まり、作文力も一段階アップしていることを感じています。
ここでは、自然との関係について考えたみなさんの意見と、「今回の優秀作品」として、特によく書けていたY.Y.さんの作文を紹介します。

G.T.さん
自然に対する知識、心構えと判断力が重要

山へ行くと、最近はソーラーパネルが並んでいて、殺風景だ。山にソーラーパネルを置くためには、多くの木を伐採しなければならない。これでは、「エコ」なエネルギーとは言えないのではないだろうか。……自然と親しんだり、自然を守ったりするには、自然に対する知識と心構え、そして自らの行動が適切かどうか判断する力が必要だ。

R.O.さん
人間は自然に対して謙虚になるべき

私の自宅の近くの森林でもゴミのポイ捨てが多く見受けられる。イラストの人たちもポイ捨てをする人たちも、自然は自分たちだけのものだと考えているのだろう。自然に対して謙虚な気持ちを持つことが大切である。

M.M.さん
日々の生活に責任感をもたなくてはならない

人間は自然との関わりに対して無責任なのではないだろうか。自分自身も地球上の自然の一員であることを自覚せず、自分勝手に地球を破壊している。自ら引き起こした地球温暖化や環境汚染などの問題を目のあたりにしながら、現状は変わっていない。……人間が自然と共生していくためには、日々の生活に責任感をもたなくてはならない。

今回の優秀作品

回答

★ Y.Y.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

Y.Y.さんは第一段落でイラストに描かれた人たちの様子を説明しながら「このような状況は自然と親しいと言えるのだろうか」という問題提起をしています。第二段落では、「海に捨てられるゴミによって、動物が苦しんでいる」というテレビニュースの例も挙げながら、「環境に親しくしたとしても、自然が壊されるのでは意味がない」と述べます。これは、イラストにも、テレビのニュースにも通じる考え方ですね。この一文があるからこそ、〈「自然に親しむ」とは「どの生物も気持ちよく過ごすことができる」という前提があって初めて成り立つ〉というY.Y.さんの結論に説得力が加わります。「資料(イラスト)の説明」「自分の挙げた具体例」「結論」に一貫性がある、すばらしい作文と言えるでしょう。第一段落の問題提起に第二段落の結論がうまく結びついている点も秀逸です。

◇◆◇

今回の講評はここまで。次回も、みなさんの答案を楽しみに待っています!

※毎月、Z会に届いた答案の中から「キラリと光る作品」を選んで「講評」に掲載します。早めに提出し、「講評」掲載をめざしましょう!

※「講評」は毎月中ごろに公開します。お楽しみに!