答案講評 11月の回答選と解説

中2
中2 立場を決めて書く2

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

「嘘も方便と言う人もいるが、どのようなときにも絶対に嘘をついてはならない。」という意見について考えたことを、二八〇字以内で書きなさい。ただし、賛成か反対か自分の立場をはっきりさせ、具体例(自分の体験や、見たこと、聞いたことなど)をふまえて書くこと。また、作文全体を二段落に分けて書くこと。

答案拝見

先生

今回は「主張とその根拠を示す」という、作文の基本のような問題でした。「それはわかっているけど、根拠として示せるような自分の体験がない」と感じた人も多かったかもしれません。そのような場合は、「見たこと、聞いたこと」、つまり友達のことや一般的なことでもよいのです。大切なのは、具体例を考える時間を確保することです。5分でいいのでぜひやってみてくださいね。また、もう一つ気をつけたいのが「具体例と考察の関連づけ」、つまり「具体例の内容」と「自分が言いたいこと」を一致させることです。これができると説得力のある作文になりますよ。それでは、いくつか答案を見てみましょう。また、「今回の優秀作品」として、S.H.さんの作文を紹介します。

M.N.さん
賛成

例えば似合わない服を着ている友人に似合うかを尋ねられた場合、相手は正直な意見を求めているため嘘をつくと相手の要望に答えていない。また、嘘をついていたことが後で分かった時、相手は嘘をつかれたことで余計に傷付き、自分も信頼を失うことになる。

K.S.さん
賛成

部活でのテニスの大会で、A君とB君のペアが負けてしまった。失点の大半はB君のミスであったため、相当ショックを受けていた。その中で、A君は、B君を励ますために、ほとんどが自分のミスだから気にしなくて良い、と嘘をついていた。しかし、A君が、友達に正直どっちのせいで負けたのか、と聞かれると、百パーセントB君のせいだ、と答えていたのをB君に聞かれてしまい、その日からB君は部活に来なくなってしまった。

今回の優秀作品

回答

★ S.H.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

この作文の優れているところは、S.H.さんの心の中の葛藤が具体的に示されていることと、客観的な考察ができているところです。
先生に叱られた友達に対して、S.H.さんは「その子に非があると感じた」とした上で、それでも心の中にさまざまな思いが浮かんだと書いています。S.H.さんが自分の心の中の葛藤をありのままに書いたことで、「この意見に反対」というS.H.さんの立場がよく理解できました。また、その後で良好な人間関係を築くには「空気を読む、場に合わせる」といったことが大切なのではないかとしています。社会の中でよく使われている表現を挙げて自分の立場を客観的にも見ることができています。
具体例と考察に工夫が感じられる、大変優れた作文でした。

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今回の講評はここまで。次回も、みなさんの答案を楽しみに待っています!

※毎月、Z会に届いた答案の中から「キラリと光る作品」を選んで「講評」に掲載します。早めに提出し、「講評」掲載をめざしましょう!

※「講評」は毎月中ごろに公開します。お楽しみに!