答案講評 9月の回答選と解説

中2
中2 短歌を読んで書く

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

短歌にこめられた作者の思いを捉え、短歌について考えたことを二四〇字以内で書きなさい。ただし、作文全体を二段落に分け、具体例(自分の体験や、見たこと・聞いたことなど)をふまえて書くこと。

答案拝見

先生

今月はどの作文も、「身近な人に感謝の気持ちを伝えることの大切さ」という短歌の作者の思いを主題にすることができていました。また、「作文全体を二段落に分ける」という条件についても守ることができていました。具体例を挙げる際、身近な人や事として、「友達」「両親」「祖父母」「先生」「自分の周りに食べ物があること」などを挙げた人が多かったです。大切なのは、そうした身近な人や事に「なぜ」感謝を伝えたいのかという「理由」をくわしく書くことです。これは、具体例を挙げる場合にはいつも気をつけておきたいことですね。理由をくわしく説明した作文は、説得力のある仕上がりになっていました。それでは、答案の一部を紹介します。また、「今回の優秀作品」として、特によく書けていたH.S.さんの作文を紹介します。

M.E.さん
祖父母に感謝の気持ちを手紙で伝えた経験から

長期休暇で祖父母の家へ行くと、いつも美味しい料理を作ってくれる。直接感謝の気持ちを伝えることは恥ずかしかったので、敬老の日に手紙にして伝えた。すると、祖父母から、「とても嬉しいよ」と言ってもらうことができ、伝えて良かったと思った。

S.I.さん
教室に忘れ物をした際、親友が持ってきてくれていた経験から

私は深く親友に感謝し、支えられていることを実感した。この経験から、友達、家族、沢山の人が支えてくれていることに気づいた。今の環境は決して当たり前ではなく、恵まれていることを念頭におき、身近なことにも「ありがとう」の気持ちを忘れないようにしたい。

K.T.さん
ピアノの先生にお礼を言った経験から

ピアノの先生は、どんなに忙しい日でも家に来て熱心にレッスンをしてくれた。そのおかげで私はオーディションに合格し、合唱祭でクラスの伴奏をできるようになった。先生に感謝を伝えたくてお礼を言った時の先生の笑顔が嬉しくて私もいつの間にか笑顔になっていた。

今回の優秀作品

回答

★ H.S.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

この作文は、第一段落の最後の箇所を「お互いの距離がぐっと縮まったと感じた」としたことで、読み手の関心を引くことに成功しています。「相手が喜んでくれた」で終わらせず、「二人の関係の変化」に着目しているためです。こうした体験を踏まえて、H.S.さんは第二段落の最後に「感謝を素直に伝えることでお互いを見つめ直すことにもつながる」という考察をしています。体験と考察のつながりもとてもよいですね。
またH.S.さんは、第一段落で「何となく感謝を伝えるタイミングを見失っていた」とするなど、詩の作者の思いをよく理解して作文を書いています。詩の内容をしっかりと押さえた上で、独自の考察ができていて、たいへんすぐれた作文でした。

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今回の講評はここまで。次回も、みなさんの答案を楽しみに待っています!

※毎月、Z会に届いた答案の中から「キラリと光る作品」を選んで「講評」に掲載します。早めに提出し、「講評」掲載をめざしましょう!

※「講評」は毎月中ごろに公開します。お楽しみに!