答案講評 12月の回答選と解説

中1
中1 自分のことを紹介する

今回の課題

今回は、次の添削問題について、Z会に届いた答案の紹介と講評をお届けします。

自分の長所を一つ取り上げて、「私の長所」という題で二六〇字以内で作文を書きなさい。ただし、作文全体を二段落に分けて書くこと。

答案拝見

先生

届いた答案を読むと、「自分の長所」についてみなさんくわしく説明できていました。長所にまつわる具体的なエピソードを探すのが難しいという声もありましたが、必ず根拠となる具体的な経験があるはずです。そこをしっかり思い出して書けると、説得力のある作文になりますよ。また、例えば「同じことを長く続けることができる」という能力を長所として挙げるにしても、「根気強い」「真面目」「努力家」「あきらめない」「意志が強い」など、それをどのように表現するとしっくりくるのかは、人それぞれ感覚が違いますね。何に対してどんな言葉を選ぶかにも、その人の個性が表れるものです。自分の長所や個性を大切にしながら、これからも作文を書いていってくださいね。それでは、みなさんの答案をいくつか見てみましょう。また、「今回の優秀作品」として、特によく書けていたF.K.さんの作文を紹介します。

M.O.さん
あきらめないところ

私は、幼稚園の年中からピアノを習っている。まだ習い始めたころは上手に弾けず、うまく音符も読めず、何度もやめたいと思った。でもお父さんの「あきらめたらダメだよ」という言葉を信じて続けてきた。あきらめなかったからこそ今、合唱コンクールの伴奏者としてみんなの代表で弾いたり、ピアノを弾くとみんな笑顔になってくれるからうれしい。

T.K.さん
やさしいところ

私は先日、通学中に自転車に乗ったおじいさんに出会った。そのおじいさんは、自転車をおして、うろうろしていて、何か探している様子だったので、声をかけると、うしろのカゴに入れていたつえがなくなったといった。私はつえを探しに行き、道におちていたつえを渡すと、ありがとうと言われ、探しに行ってよかったと思い、とてもうれしかった。

O.S.さん
一度やり始めたことをやり遂げるまでやると心に決めているところ

私は、サッカーチームに通っている。その練習のうちにリフティングをするというものがあった。最初はまったく続かず、悔しかった。そこで百回を越えるという目標を立て、それに向かってがんばった。そして今は、努力の結果、百回を越えて、目標を達成することができた。私は努力をし続ければ、結果は必ずついてくると思う。

今回の優秀作品

回答

★ F.K.さんの作文 ★

先生

ココが花マル

F.K.さんは自分の長所を「ポジティブに考えられるところ」と説明しています。そのあとに「上手くいかないことがあっても、自分自身を最後まで信じることができる」とあるので、「ポジティブに考えられる」ということがどのようなことなのかが、はっきり伝わってきます。
F.K.さんは初め、柔道着の帯を上手く結べなかったようです。皆が簡単にできたことが自分だけできなかったことにくやしさを感じながらも、「絶対できるはずだ」と信じて何回も練習した結果、「誰よりも早く結べる」ようになったのですね。第一段落の長所の説明と、第二段落の具体例がぴったり合っているため、物事に対して前向きに取り組むF.K.さんの姿勢が伝わってきて、読み手が納得できる内容になっています。書き手の考えと、具体的な説明が一致していると、〈説得力のある作文〉につながるということがよくわかる答案でした。

◇◆◇

今回の講評はここまで。次回も、みなさんの答案を楽しみに待っています!

※毎月、Z会に届いた答案の中から「キラリと光る作品」を選んで「講評」に掲載します。早めに提出し、「講評」掲載をめざしましょう!

※「講評」は毎月中ごろに公開します。お楽しみに!