クリティカル・シンキング/みんなの意見 10月の回答選と解説

中3
総合|みんなの意見 中3 10月

今回の課題

みんなの意見10月(中3)のテーマは以下のものでした。

みなさんが普段の生活で目にするデータの中で,何と何の相関を調べると面白そうですか? 比べたい2つの変量について,理由を含めて「みんなの意見」に投稿してみましょう。

ウォーミングアップでは,与えられた2つの変量の関係を「何となく」ではなく,散布図やQCRといったツールを使って考察することを練習しました。この練習は,「実生活の中で自分から課題を発見・設定できるようになる」を最終的な目標にしています。そこで,現在のみなさんが実生活の中でもっている関心や視点をまずは共有してみることを,今回の「みんなの答案」の主題としました。

今回の回答選

うしうしさん

人口とコンビニエンスストアの件数
人口が多いほどコンビニエンスストアは多そうだが,確かめてみたいと思った。

 

「人が集まりそうなところ」にコンビニエンスストアは多くありそうなので,正の相関関係があるように思えます。一方,北海道では,比較的人口が少ない地域にもコンビニエンスストアが出店していることがあります。他の都府県でも,このようなケースがあるかもしれません。このように考えていくと,単純に正の相関関係があるとは言い切れないようにも思えるので,実際の相関関係をチェックしてみたくなりますね。

ぱ17プルさん

高校三年生の模試の点数とその人の誕生月
小学六年生時点で成績が良い人は周りでは4、5月の人ばかりだった。しかしその6年後にはどうなっているのか気になったから。

 

これは面白い着目点ですね。実際に「生まれた月が最終学歴や成績に影響を与えているのか?」ということを研究している人もいるようです。子供が小さいとき(幼稚園・保育園〜小学校一・二年生ぐらい)は生まれた月によって発達の差が大きく,そこを配慮しながら教育が行われているそうです。高校三年生時点の成績ではどのような差になるのか気になりますね。

Z会のつぶやき

 

思いのほか意見が集まりませんでした。比べてみると「面白そう」な2つの変量というのに,少し戸惑ってしまったかもしれません。私たちの身のまわりには,まるで当然であるかのように流布するものがあります。たとえば,「携帯機器に没頭するとコミュニケーション能力が下がる」「年々日本語は乱れている」「文系科目と理系科目のどちらかが得意である」などなど。これらは「何となく」正しい感じがするだけにあまり批判的に考え直すことをしません。だからこそ,これらがほんとうに正しいのかどうかを調べてみると,意外な発見や数理的なツールを使って考えることの意義や重要さを感じることができるでしょう。これから実生活のなかでふと心にとまったことに意識を向けていけるといいですね。